2025年4月25日
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子どもの個性を生かせる「オルタナティブ教育」 そのメリットとデメリットを徹底解説
オルタナティブは「代わりの」「もう一つの選択肢」などの意味を持つ言葉です。つまり、オルタナティブ教育とは、従来の学校教育の代替になる教育ということになります。オルタナティブ教育の特徴や種類、そのメリットとデメリットなどについて解説します。
子どもの個性を生かし主体性を育むオルタナティブ教育

まずは、オルタナティブ教育がどのようなものなのかについて説明していきます。
オルタナティブ教育とは
一般的な公教育に代わり、独自の教育理念で子どもの力を伸ばしていこうという考えのもと、行われているのがオルタナティブ教育です。主に、ヨーロッパやアメリカの哲学的な思想を取り入れた教育で、子どもの個性や主体性を伸ばすことを重視しています。法律で定められている学校教育とは異なる視点で、子どものさまざまな能力を育んでいきます。
オルタナティブ教育の特徴
オルタナティブ教育を受けるには、一般的な学校ではなくオルタナティブスクールに通うことになります。多くのオルタナティブスクールは少人数制で、子どもは先生や友達と深い人間関係・信頼関係を築きながら学びを深めていきます。先生の目が行き届きやすいので、個人個人に合ったペースで学ぶことができ、子どもはより主体的に学習に取り組むことができます。体験学習も多く、机上の学習だけではなく社会で必要とされるさまざまな知識や技術に触れる機会があります。
オルタナティブスクールの種類
オルタナティブスクールには、それぞれの教育理念によってさまざまな種類があります。子どもの自主性を伸ばしていくモンテッソーリ教育、個性を尊重するシュタイナー教育、自立心を促すサドベリー教育、表現力を重視するフレネ教育などがあります。独自の教材を使う、芸術に重きを置く、体験学習やグループワークを行うなど、教育方法もさまざまです。
多様な学び方ができるオルタナティブ教育のメリット

オルタナティブ教育の良さは、どのようなところにあるのでしょうか。そのメリットについて見ていきましょう。
興味のあることを学べる
オルタナティブ教育では個別の対応がしやすいため、一人一人の子どもの興味にそった内容を学ぶことができます。好きなことをより深く追究することができるので、学習へのモチベーションが高まります。特定の分野の知識が深まると周囲からも認められるようになり、それが子どもの自信になってさらなるチャレンジ精神へとつながります。
個性が生かせる
一般的な学校では集団で行動することが多く、みんなに合わせることが重視されます。そのため、個性的な子どもが居づらさを感じてしまうこともあるでしょう。そのような子どもにとって、個性を大切にしてくれるオルタナティブスクールは、伸び伸びと過ごすことのできる居場所になります。学校ではマイナスに働いてしまうような行動が、オルタナティブスクールではプラスに働いて周囲から感謝されることもあり、自己肯定感を高める一助となります。
自主性が身につく
オルタナティブスクールの先生は、基本的に活動をサポートする立場で子どもたちに接します。大人が一方的に規則を守らせるのではなく、何か困ったことがあったら子ども同士で話し合い、ルールを作っていくというスタイルです。学習内容を自分で決めることも多く、子どもの自主性が育まれていきます。
体験学習が多い
体験学習が多いのも、オルタナティブ教育の良さといえます。絵画、工作、実験、料理、楽器演奏、演劇などを体験する、社会科見学をする、自然の中で過ごすといった機会がたくさんあります。その中で、技術を身につけたり、他者とコミュニケーションをとったりして、社会に出てから必要なスキルを学ぶことができます。
異年齢の交流がある
学校では同じ年齢の子どもだけでクラスが編成されますが、オルタナティブスクールにはいろいろな年齢の子どもがいます。異なる年齢の人たちと接することで、年上の人への礼儀や年下の子どもの面倒を見ることなどを学びます。
正式な卒業資格がとれないなどのデメリットも

さまざまなメリットのあるオルタナティブ教育ですが、デメリットがあるのも事実です。注意しておきたいデメリットについてまとめます。
教育の質に違いがある
オルタナティブ教育は、スクールそれぞれの教育理念にのっとって行われるため、教育内容に違いがあります。子どもに合っていないスクールを選ばないよう、事前によく確認することが大切です。また、文部科学省の学習指導要領に沿っていないこともあるため、学力不足が生じる可能性もあります。
オルタナティブスクールだけでは小学校卒業資格が得られない
オルタナティブスクールは正式な学校として認められていないことが多く、オルタナティブスクールに通っただけでは小学校卒業の資格を得ることができません。小学生の場合、学校として認可されている公立や私立の小学校に在籍したうえで、オルタナティブスクールに通う必要があります。在籍校と連携する必要が出てくることもあるため、事前に在籍する小学校とよく相談しておくことが大切です。
中学卒業後の進学先選びが難しい
多くのオルタナティブスクールは、小・中学生を対象にしています。そのため、高校で初めて公教育に触れ、子どもがそのギャップに苦しんでしまうというケースがあります。中学卒業後の進路については、早めに検討しておく必要があるでしょう。
十分なリサーチをしたうえで子どもに合ったオルタナティブ教育を選ぶ
公教育とは異なるアプローチで学ぶオルタナティブ教育は、子どもの個性を生かした魅力的な教育方法といえます。一方で、教育の質に差があるなど、デメリットがあることも知っておく必要があります。子どもの特性や家庭の考え方に合っているかどうかを十分リサーチしたうえで、理想のオルタナティブ教育を選べるとよいでしょう。
オルタナティブスクールだけの学習で心配というときは、学習教室や塾に通うのも一つの方法です。その際には、じっくりゆっくり丁寧な指導で学力アップをサポートする、学研教室をぜひお選びください。