2023年2月27日
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対面授業とオンライン授業を徹底比較 それぞれのメリットとデメリットを解説します
塾や習い事だけではなく、小学校でも取り入れられるようになってきたオンライン授業。ただ、対面授業とのバランスについてはまだまだ試行錯誤の段階といえるのかもしれません。対面授業とオンライン授業、それぞれのメリットとデメリットについて考えていきましょう。
コロナ禍の前から実施が計画されていたオンライン授業
新型コロナウイルス感染症の流行で、急激に普及したオンライン授業。実はそれ以前から、オンライン授業の導入について検討されていたことをご存知でしょうか。
インターネットやICT機器を使った教育は世界でも取り入れられている国が多く、日本でもその流れに合わせて「GIGAスクール構想」というものが検討されていました。
「GIGAスクール構想」では生徒一人一人に端末機器を配布し、それを教育に活用しようという取り組みです。その目的は次のようなものです。
・場所や時間を選ばずいつでもどこでも学べるようにする。
・それぞれの子どもの理解度に合わせた学習を行う。
・外国語やプログラミング学習への活用。
・教員や保護者の負担を軽くする。
「GIGAスクール構想」は、対面授業での課題をICTの活用で解決しようという目的で、文部科学省が積極的に推し進めてきました。
教育のICT化自体は時代の流れとして検討されていたものの、コロナ禍による突然の一斉休校で子どもたちの学びがストップしてしまい、その計画が一気に加速したというのが実情です。
そのため、十分な準備がなされないままオンライン授業が始まってしまった部分もあり、まだまだ検討と改善が必要といわれています。
まずは、対面授業とオンライン授業を比較したときのそれぞれの特徴についてまとめてみましょう。
対面授業の特徴
・先生と生徒が同じ時間と空間を共有する。
・コミュニケーションが取りやすい。
・実技や実験などができる。
オンライン授業の特徴
・いつでもどこにいても学習できる。
・静かな環境で学習できる。
・録画授業の場合、繰り返し見ることができる。
それぞれの授業の特徴をもとに、そのメリットとデメリットについてまとめていきます。
対面授業のメリットとデメリット
対面授業のメリット
コミュニケーションが取りやすい
同じ場所で同じ授業を受けるため、先生や友達とのコミュニケーションが取りやすいのは対面授業のよさといえます。わからないところを直接先生に質問したり、協力しながらグループ作業に取り組んだりすることで、友達との絆も深まります。
実物に触れることができる
体育では実際に体を動かして競技を楽しんだり、ボールや運動器具などの使い方が身についたりします。
また、実験や工作などのさまざまな体験を、実物に触れながら行うことができます。
孤独を感じにくい
対面の授業では、先生や友達など基本的には人と人との関わりの中で過ごします。孤独を感じにくいのも対面授業のよいところです。
周囲の雰囲気に合わせて学習に取り組める
周りの友達が真剣に学習に取り組んでいると、その雰囲気に合わせて自然と学習に取り組むことができます。
対面授業のデメリット
感染症が流行すると学習がストップしてしまう
新型コロナウイルス感染症が流行する前も、冬場にはインフルエンザの流行などでしばしば学級閉鎖や学年閉鎖になることがありました。大勢の子どもたちが集まる場所ではどうしても感染症が広がりやすく、具合が悪い子はもちろん、元気な子どもたちの学習も一斉に止まってしまうのが対面授業の大きなデメリットです。
個々の理解度に合わせられない
小学校の対面学習では、理解の進んでいる子もそうでない子も同じ授業を受けることになります。理解の進んでいる子は簡単すぎて退屈してしまい、反対に内容が難しくてついていけない子はわからないまま過ごしてしまうという状況が起こりがちです。
外国語学習やプログラミング学習の教員不足
新しく取り入れられるようになった外国語やプログラミングの授業は、先生が一人で多くの子どもたちに教えるのが難しい場合があります。先生が一人では対応し切れないというケースもあり、教員の不足が指摘されています。
防犯上の心配がある
子どもが通学する際、その行き帰りに犯罪や事故に遭うかもしれない、という心配があります。
オンライン授業のメリットとデメリット
オンライン授業のメリット
時間や場所を選ばず学習できる
何かの事情で通学ができなくなったときも、オンラインならいつでもどこでも学習することができます。対面授業では学習が止まってしまうような状況でも、学習の機会が失われずに済みます。
自主性を育てられる
オンライン授業では、基本的に自分から学習に取り組む必要があります。先生の的確な指示や保護者のフォローはある程度必要ですが、うまく進められれば自分から学習に取り組む力を育てていくことができるでしょう。
集中しやすい環境で学べる
対面授業でのざわざわした環境が苦手な子にとっては、おうちの静かな環境は集中しやすいものです。周囲の状況に左右されず、自分のペースで学べるのはオンライン授業のよいところです。
録画した授業を繰り返し見られる
授業を録画したオンデマンド形式の授業の場合、その録画を繰り返し見ることができます。よくわからなかったところを何度でも見ることができるため、子どもの理解力に合わせて適切にオンライン授業を活用することができます。
通学に関わる心配や保護者の負担がない
通学時の犯罪や事故についての心配をしなくて済むのは保護者にとって安心なものです。また、送り迎えの必要がないため、保護者の時間的・精神的負担も軽減されます。
オンライン授業のデメリット
機材や設備の準備が必要
オンライン授業を受けるには端末機器や通信設備を整える必要があります。授業の内容によってはスマートフォンやタブレット端末では足りず、パソコンが必要になることもあるでしょう。
また、Wi-Fi環境を整備したり、イヤホンやwebカメラが必要になったりすることもあります。
コミュニケーションが取りにくい
オンラインでは通信環境によってタイムラグが発生することがあり、双方向のコミュニケーションがうまく取れないことがあります。
また、周囲に人の気配が感じられる対面授業と異なり、孤独感が増すということもあるでしょう。
強制力がない分、自主性に任される
対面授業の場合は周囲の目もあり、良い意味での強制力が働きますが、オンラインでは自分から取り組む姿勢がないと、なかなか学習に集中することができません。先生が指導方法を工夫したりある程度保護者がサポートしたりする必要も出てくるでしょう。
子どもが授業を受けるふりをして他のサイトを見てしまう
インターネットへつなぐため、子どもが授業を受けるふりをして他のサイトを覗いていたり、YouTubeを見ていたりすることもあります。
インターネットにはフィッシングサイトなどさまざまなリスクがあるため、十分な注意が必要です。
身体への負担が心配される
長い時間モニターやタブレットの画面を見ていることで視力に影響が出たり、座りっぱなしで姿勢が悪くなったりする心配があります。また、外出の機会が減ることで運動不足になり、食事や睡眠に影響が出ることもあります。
対面授業とオンライン授業、両方をうまく活用できる工夫が必要
対面授業にもオンライン授業にもメリットとデメリットの両面があります。また、きめ細かいサポートが必要な小学校低学年では、すべてをオンライン授業で行うのはまだまだ無理があるといえそうです。
ただ、これからの時代はオンライン授業の活用がより一層増えていくことが考えられます。
学校や先生方に授業の工夫をしてもらうとともに、授業を受ける側も少しずつオンライン授業に対応できる体制を整えていけるとよいのではないでしょうか。
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