2023年4月11日
- 幼児
- 小学生
- 子育て
- 発達
正しい子どもの「褒め方」とは 上手に褒めて子どもを伸ばしていくために
「褒めて伸ばす」という言葉はよく聞きますが、具体的にどのように褒めたらよいのか悩む方も多いのではないでしょうか。叱ってばかりでもいけないし、褒めすぎもよくない気がする……そんな方に向けて、子どもを伸ばす上手な褒め方について解説していきます。
上手な褒め方で、子どもはぐんぐん力をつけていく
大好きな保護者に褒められると、子どもはうれしいものです。適切なタイミングで子どもを褒めることは、子どもの成長にとって大いにプラスになります。
まずは、褒めることによって得られる効果について紹介します。
子どもの自己肯定感が高まる
子どもは褒められると「自分のことを認めてもらえた」と感じ、前向きな気持ちになります。ありのままの自分でよい、というメッセージを繰り返し受け取っていると、自己肯定感が高まっていくのです。
褒められることによって自己肯定感が高くなることは、これからの長い人生を生きていくうえで大きな力となるでしょう。
子どもとの信頼関係ができる
褒めることで「あなたのことをしっかり見ている」という気持ちが子どもに伝わり、子どもは保護者を深く信頼するようになります。保護者との信頼関係が築けると、子どもは困ったときに保護者に相談することができるようになるでしょう。
叱られて育った子は「怒られるに違いない」と思って困りごとを自分で抱え込んでしまいがちです。何か問題が起きても保護者に相談しにくいため、より問題を大きくしてしまったり自分自身を苦しめたりする傾向があります。
人にやさしくなれる
保護者に「ありがとう」「助かったよ」などと言われると、子どもは自分の行動が保護者の役に立ったとうれしくなります。自分の行動で保護者に喜んでもらえたということが分かり、他の場面でも相手の気持ちを想像して行動できるようになります。
子どもを褒めることで、他人を思いやるやさしい気持ちが育っていくのです。
何事にも積極的に取り組めるようになる
褒められて自分に自信がつくと、子どもは何事にも積極的に取り組めるようになります。その姿勢は、多少失敗をしてもあきらめずに挑戦し続ける力となるでしょう。
褒めることは、子どものチャレンジ精神を育てるうえでも大変効果的です。
子どもを伸ばす褒め方とは 褒めるタイミングとそのポイント
褒めるのがよいこととは分かっていても、うまく褒めるのはなかなか難しいものです。そこで、子どもを褒めるときに心がけておきたいポイントをまとめておきましょう。
子どもの行動に関心を持つ
子どもがよいことをしても、それに気づかなければ褒めることができません。上手に褒めるためには、ベストなタイミングで声をかけることがとても重要です。
まずは、子どもがどのような行動をとっているのか関心を持ちましょう。今までできなかったことができた、挑戦しようとしていることは何なのかなど、普段から子どもの様子を見ていると、ちょうどよいタイミングで褒めることができるでしょう。
具体的によかったところを褒める
単に「えらいね」「すごいね」と言うだけではなく、子どものどのような行動がよかったのかを具体的に褒めるようにしましょう。
たとえば、おもちゃをきちんと片付けられたときには「○○ちゃんが片付けてくれたからお部屋がきれいになったね。ありがとう」と、片付けたことがよかったのだ、ということを伝えるのです。
子どもは「片付けたから褒められた」と思い「次もきれいに片付けよう」と意識的に取り組めるようになるはずです。
「ありがとう」と感謝を伝える
保護者が素直に「ありがとう」「助かったよ」と感謝の気持ちを言葉にすることも、子どもにとってはうれしい褒め言葉となります。自分のしたことで保護者が喜んでくれると、子どもは「またがんばろう」という気持ちになります。
日常のささいなことでも、こまめに感謝の気持ちを伝えるとよいでしょう。
がんばった「過程」を褒める
テストでよい点がとれたときは「よくできたね」と言うよりも、「漢字の練習がんばったもんね」と言う方が、子どもには伝わりやすいものです。
子どもは、自分のがんばっていた姿を保護者が見ていてくれたことがうれしいのです。
努力したことやチャレンジした過程を褒めましょう。
褒めてもらいたいポイントをつかむ
子どもが褒めてほしいポイントと、大人が褒めるポイントがずれていることは意外と多いものです。的外れな褒め方をしても、子どもの心には響きません。
褒める前に、子どもが取り組んだことについて「どうやってやったの?」「やってみてどう思った?」などと、質問をしてみましょう。その中で、子どもがどのようにがんばったのか、どこに注目してほしいのかが分かってきます。
子どもの話をよく聞いてポイントをつかむと、効果的な褒め方ができるようになるはずです。
漠然と褒めたり他の子と比較したりするのは避けよう
子どもにとって保護者に褒められるのはとてもうれしいことですが、褒め方によってはデメリットが生じることもあります。
子どもを褒めるときには、以下のようなことに気をつけておくとよいでしょう。
何をしても褒めてばかりいる
子どもが何をしても、ただ漠然と「えらいね」「すごいね」と褒めるのはあまりよくありません。子どもが「この程度でいいのか」と思い、向上心を失ってしまうことがあるからです。
褒める内容にメリハリをつけ、どこがどのようによかったのかを具体的に褒めることが大切です。
「結果」だけを褒める
「何かができた」など、結果だけを褒めるのも避けたいものです。結果だけを褒められると、子どもはできるまでの過程が重要ではないと勘違いする可能性があります。たとえば、単に答えだけを暗記して、なぜそうなるのかを考えなくなるようなこともあり得ます。
また、結果が出ないことに落ち込んで、うまくできないならやらない方がよいとネガティブになる可能性もあります。
他の子どもと比べる
「○○ちゃんより早くできたね」のように、他の子と比べる言い方は避けましょう。他の子に対して優越感を持ったり、できなかった場合は反対に自分を卑下してしまったりすることがあります。
お友達同士で切磋琢磨するのは悪いことではありませんが、競争心を煽るような言い方は、トラブルのもととなります。
周囲と比較するのではなく「前はできなかったのにできるようになった」と、以前の子ども自身と比べるようにしましょう。
よいタイミングでうまく褒められれば、子どもは自己肯定感を高めて何事にも積極的に取り組んでいけるようになります。
よりよく褒めるポイントを押さえて、子育てに役立てていきましょう。
学研教室では、子どもを認め、ほめて伸ばすことを中心に、ものごとに取り組む姿勢や考え方などの非認知能力をはぐくむ学習指導を行っています。学習教室なら、お子さまの成長をサポートする学研教室をぜひご利用ください。