2023年8月26日
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子どもが「登校しぶり」をするのはなぜ? その理由と適切な対応について解説します
ときどき、子どもが学校へ行くのを嫌がることがあります。保護者は、子どもが学校へ行くのを嫌がると、とまどってしまうものです。小学生の子どもが登校をしぶったとき、保護者はどのように対応すればよいのでしょうか。
「行かなければならない」と「行きたくない」を抱えた心理状態

登校しぶりは子どもが学校へ行くのを嫌がることをいいます。登校を嫌がる理由はさまざまです。
登校しぶりの理由
登校しぶりの理由には、いくつかのパターンがあります。
・朝起きるのがつらい
・学校へ行こうとするとお腹や頭が痛くなって動けなくなる
・集団生活が苦手
登校しぶりをする子どもの気持ち
子ども自身も頭の中で、学校へ行かなければならないと思っています。ただ、本音としては「行きたくない」わけです。行かなければならないけれども行きたくないという、反対の気持ちを抱えて子どもはとても苦しんでいます。
少し休むことで気持ちが落ち着くことも
登校しぶりをしても、朝の準備をゆっくり進めているうちに学校へ行こうという気持ちになることもあれば、保健室や別室なら行けるということもあります。また、少し休むと登校できるようになる子どももいます。
一方で「学校へ行きたくない」という気持ちが続くと、そのまま不登校になるというケースも多いといえます。
登校しぶりのサインとは 身体症状が出たり落ち込んだ様子を見せたりする

子どもは「学校へ行きたくない」と言ったら、保護者に怒られたり心配されたりするのではないかと思い、自分の本当の気持ちをなかなか言い出せないことが多いものです。保護者は子どものどのような様子に気をつければよいのでしょうか。
頭痛・腹痛・吐き気などの症状が見られる
「行きたくない」と言葉では伝えないものの、頭痛・腹痛・吐き気といった体の症状を訴えることがあります。もちろん、病気が原因ということもあるので、休ませたり病院に連れていったりする必要はあるでしょう。ただ、検査をしても特に問題がないということも多いものです。
明らかに元気がない
学校へ行く前日の夜から元気がない、普段よりノロノロと支度をしているなどの様子が見られたら、学校へ行きたくない理由が何かあるのかもしれません。普段と明らかに違う様子を見せることで、学校へ行きたくないという意思表示をしているのです。
朝だけ調子が悪い
朝、なかなか起きられないという子どももいます。朝は体調がすぐれず、学校へ行きたがらないこともあるでしょう。
前の日に夜更かしをしていないか、寝る直前までゲームなどをして睡眠の質が低下していたり、睡眠時間が不足していたりしないかなど、確認することも大切です。
朝だけ調子が悪く、夕方には元気になると、仮病なのではと思ってしまうかもしれません。しかし、自律神経の不調を抱えているケースもあるため、慎重に判断する必要があるでしょう。
「行きたくない」と言葉にする
学校へ行きたくないという気持ちを言えない子どもが多い中で、はっきりと「行きたくない」と言う子もいます。
子どもが学校へ行きたくないときは、自分ではっきりした理由がわからないことが多いものです。ただ、「行きたくない」という気持ちは自覚できるため、保護者にその気持ちを訴えているのです。保護者との信頼関係がしっかりできているときや、よほど追い詰められた気持ちでいるときには、言葉で表現することもあります。
子どもが登校しぶりをする主な理由とは

子どもの登校しぶりの原因として考えられることを見ていきましょう。
友人関係のトラブル
友達とトラブルになった、いじわるをされたなど、学校で嫌なことがあり、登校しぶりをすることもあります。
いじめが原因の場合、子どもはいじめられていることを保護者に言えないこともよくあります。いじめられていることを知られて保護者に心配をかけたくない、「こうしたらいい」と言われても勇気が出ない、保護者が学校や友人のところに行くことで大ごとになると困る、仕返しをされるかもしれない……など、いろいろなことを考えてしまい、保護者に言うことができないのです。
学校の先生と相性が合わない
子どもにとって、学校の先生の存在はとても大きいものです。人間同士なので、どうしても合う・合わないがあり、先生と相性が悪く学校がつらいということもあります。
先生がこわい、信頼できないといったことが、登校しぶりにつながることも珍しくありません。
集団生活が苦手
そもそも集団で生活することに苦手意識を感じている子どももいます。自分のペースを乱されることに強いストレスを感じる子どもにとって、集団行動を求められる学校の環境はつらいものです。
がまんして通っていたけれど、そのがまんが限界に達して登校をしぶることもあるのです。
朝起きるのがつらい
夜更かしが習慣になってしまい、朝起きるのがつらいということもあります。また、高学年になってくると、成長の過程で自律神経が乱れ、朝、なかなか起きられなくなってしまうこともあります。
登校しぶりをする子どもへの適切な対応とは

子どもが登校しぶりをすると、保護者はなんとか学校に行ってほしいと思うものです。ただ、子どもにも行きたくない理由があることを考え、慎重に対応する姿勢が必要です。
無理やり行かせようとしない
子どもの様子が落ち着くまでは、無理やり学校に行かせようとしないことが大切です。怒って追い立てるように外に出すと、学校へ行かずに別の場所で時間をつぶそうとして、事故や事件に巻き込まれる可能性もあります。
また、子どもとの信頼関係にひびが入ってコミュニケーションがとりにくくなることもあるため、注意が必要です。
生活習慣を見直す
夜遅くまでゲームをしている、習い事が忙しくて疲れているといった理由で、朝起きるのがつらくなっていることもあります。
夜更かしをしていないか、日々の生活に無理がないかなど、生活習慣を見直すことも大切です。
無理やり原因探しをしない
登校しぶりをしている原因が、子ども自身にもわからないことがよくあります。保護者に聞かれても答えることができず、余計に子どもを追い詰めることにもなりかねません。
また、反対に友達とのトラブルやいじめなど、はっきりした原因を抱えているからこそ、かえって言い出せないこともあります。根掘り葉掘り、問い詰めるのは避けた方がよいでしょう。
子どもが「行く」というまで待つ
まずは様子を見て、子どもが自分から「行く」と言うまで待ちましょう。どうしても行けないようなら、その日は休ませてもかまいません。
不安を抱えたまま学校へ行くことで、子どもがさらに傷ついてしまう可能性もあります。学校へ行くことが正しいと決めつけず、子どもの心身の健康を第一に考えましょう。
子どもの気持ちに寄り添う
子どもが悩み事を話してくれるときは、子どもの気持ちに寄り添って話を聞くようにしましょう。大人から見ると「そんなことで休むなんて」「それくらいがまんすればいいのに」と思うことでも、子どもにとっては重大な問題ということもあります。
まだ成長過程にいる子どもは俯瞰で物事を見るのが難しく、ちょっとした思い込みで学校が嫌になることもあります。話をよく聞いて、少し考え方や捉え方を変えてみるようにアドバイスをすると、子どもの気持ちに変化が生じることもあるでしょう。
学校へ行かず家で過ごすことになった場合は、普段通りに接して子どもが安心して過ごせるよう配慮しましょう。気持ちが安定すると、また学校へ行こうという元気も出てくるはずです。
感受性の強い子どもや繊細な子どもにとって、学校の環境は刺激が強いということもあります。子どもの気質も踏まえ、あまり動揺しすぎないことが大切です。
お子さまが学校へ行くことに悩んでいるようなときは、居場所の一つとして学研教室オンラインもご検討ください。