2024年1月17日
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小学生の読解力をアップ! 「接続詞」に注目して文章を読み解くコツ
算数など他の教科はある程度勉強の仕方が決まっていますが、国語の読解問題は取り組み方がわからないという子どもも多いものです。読解問題の手がかりとなるのが「接続詞」です。接続詞の重要性と、覚えておきたい接続詞のパターンについてまとめます。
前後の関係を表す役割をする「接続詞」の重要性
接続詞は、文章を読み解くうえで大切な役割をしています。小学生の場合、説明文の読解に苦労する子が多く見られますが、接続詞に注目すると、内容が読み取りやすくなります。
接続詞の役割
接続詞は、一つの単語や文章とその次にくる単語や文章をつないで、前後の関係を表す役割をします。接続詞があると、次にどのような単語や文章が来るのかを、ある程度予測することができるのです。たとえば、「だから」と書いてあれば、次に結果が来るということがわかり、「しかし」と書いてあれば、反対の意味が来るということがわかるでしょう。
文章にリズムが出て読みやすくなる
接続詞があると文章にリズムが出て、内容の読みやすさにつながります。「昨日、公園に行った。図書館にも行った。帰って宿題をした」という文章に、接続詞を入れると「昨日、公園に行った。それから、図書館に行った。そして、帰って宿題をした」となります。単なる文章の羅列より、意味が伝わりやすくなることがわかります。
接続詞の種類
接続詞には、主に次の8種類があります。
1.順接
2.逆接
3.並立
4.例示
5.添加
6.選択
7.説明・換言
8.話題転換
小学生が「順接」「逆接」といった言葉を覚える必要はありませんが、代表的な接続詞とその働きを理解しておくことが大切です。
小学生が覚えておきたい接続詞のパターン
では、それぞれの接続詞について、具体的に説明していきましょう。
順接:「だから」「すると」「それで」「そこで」「したがって」など
接続詞の前の文章が原因や理由、あとの文章が結果や結論を表します。「内容を要約して説明する」という設問があったとき、順接の接続詞に注目すると答えが見えてきます。
「今日は雨が降る。だから、傘を持って行こう。」
「大きな音がした。すると、赤ちゃんが泣きだした。」
逆接:「しかし」「でも」「けれども」「だが」など
接続詞の前とあとで、反対の意味のことを言います。多くの場合、接続詞のあとの内容が、筆者が本当に言いたいことを表しています。
「一生懸命勉強をした。しかし、テストの点が悪かった。」
「あのゲームで遊びたい。でも、高いから買ってもらえないだろう。」
並列:「また」「それに」「さらに」「および」
前の文の内容と同じような内容を、対等に並べます。具体例をいくつか挙げる際に使われます。
「誕生日にはケーキを食べた。また、プレゼントをもらった。」
「トマトはおいしい。それに、栄養もある。」
例示:「たとえば」「いわば」など
前の文章を受けて、より具体的な例を示したり、わかりやすくなるよう言い換えたりする役割をします。前の文章が、具体的にどのようなことを指しているのかを見つけるときに役立ちます。
「動物には性質がある。たとえば、犬は従順で猫は気まぐれだ。」
「祖父はいろいろなことを知っている。いわば、生き字引だ。」
添加:「そして」「しかも」「さらに」「そのうえ」など
前の内容に付け加えて、その内容を強調する意味があります。
「時間が経つと人が少なくなる。そして、ついに誰もいなくなった。」
「彼は性格がいい。さらに、頭もいい。」
説明・換言:「なぜなら」「つまり」「すなわち」など
前の文章の根拠を示したり、言い換えたりして説明する役割をします。状況の説明や、筆者が言いたいことをまとめる際に役立ちます。
「今朝は校庭に水たまりができている。なぜなら、昨夜大雨が降ったからだ。」
「従業員が忙しく立ち働いている。つまり、店が繁盛しているということだ。」
選択:「あるいは」「それとも」「もしくは」など
前の文章に出てくるものと別のものを例示して、選択をさせます。
「ホームランを狙うか。あるいは、ヒットでつなぐか。」
「このままがんばり続けるか、それとも、あきらめるか。」
話題転換:「ところで」「さて」「それでは」など
話題を変えたり、場面を転換したりするときに使います。段落の最初の部分に使われることが多いといえます。
「今日は天気がよくて助かった。ところで、明日はどこへ行くのか。」
「今日の仕事はここまでだ。さて、晩御飯は何にしようか。」
文章の意味をとらえるため、接続詞に注目する
国語のテストでは「筆者の言いたいことを○字以内でまとめなさい」「具体的に表している部分を抜き出しなさい」といった問いがよく出題されます。そのようなとき、やみくもに文章の中から探し出すのは大変です。
接続詞の働きを理解していると、接続詞の性質によって肝心な部分が接続詞の前にある、あるいは、後ろにあるということがわかるようになります。
接続詞の役割や性質は、多くの文章に触れているうちに自然と身についてくるものですが、初めのうちは、接続詞に○をつけながら読み進むと、よりわかりやすくなります。
接続詞を上手に活用して、読解力を高めていくとよいでしょう。
学研教室では、問題文を正しく読み取る力を高めるため、それぞれのお子さまに合った適切な指導を行っています。読解力の向上を目指すなら、学研教室をぜひご活用ください。