2024年1月29日
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苦手な「分数」をなんとかしたい! 分数を理解するために押さえておきたいポイントとは
分数がきっかけで、算数に苦手意識を持ってしまう小学生は多いものです。ただ、分数の概念が理解できていないと、中学から学ぶ数学の学習にも影響が出てしまいます。子どもが分数を苦手と感じる理由と、理解するために押さえておきたいポイントを解説します。
分数には「真分数」「仮分数」「帯分数」の3種類がある
まずは、分数の意味を押さえておきましょう。
分数とは
分数とは、1つのものを等分に分け、それが何個あるのかを分母と分子を使って表す方法です。たとえば、1枚のピザを4等分したうちの1つは1/4と表せます。
また、「整数同士の割り算を表すもの」と言うこともできます。1/4は1を4で割っているので1÷4という式で表すことができます。つまり、1÷4=1/4ということになります。
分数の3つの種類
分数には、真分数、仮分数、帯分数の3つがあります。
真分数 : 分子の数が分母の数より小さいもの。1/2、1/3、1/4など。
仮分数 : 分子の数が分母の数より大きいもの。7/2、8/3、9/4など。
帯分数 : 整数と分数が合わさってできているもの。21/3、31/4など。
小学生が分数に苦手意識を持ってしまうわけとは
小学生が分数を苦手と感じてしまうのはなぜなのでしょうか。その理由を見ていきましょう。
概念が抽象的
分数は整数と異なり、抽象的な概念です。子どもが抽象的な概念を理解するためには、ある程度脳の発達が必要です。そのため、一般的に年齢が低いうちは、分数を理解するのが難しいといえます。低学年のうちから先取り学習で分数の計算をしていても、機械的に計算しているだけで実際は理解していないということもよくあります。
また、抽象的な概念を理解できる時期には個人差があるため、小学3~4年生ごろではうまく理解できないという子どももいます。
イメージのしにくさ
分子の数が分母の数よりも小さい真分数は、日常生活でも触れる機会があるため、比較的イメージしやすいといえます。たとえば、ケーキを人数分に切り分けるといった場面で、分数に触れることができるでしょう。
しかし、仮分数や帯分数など1を超える分数は、子どもにとってなかなかイメージしづらいものです。高学年になると「48/23」などと現実ではあまり見かけない数の計算も出てきて、混乱してしまう子どももいます。
計算方法が複雑
計算のために、通分や約分をする、公倍数や公約数を利用するなど、分数の計算は複雑です。覚えることがたくさんあり、一つ一つを正確に習得していないうちに次の単元に進んでしまうと、理解が追いつかなくなり苦手と感じてしまいます。
今まで習ってきた「整数」と性質が違う
小学校に入ってから習ってきた整数は、数図ブロックやマグネットなど、1対1で物と置き換えることができます。しかし、分数はそうはいきません。
整数の2は「2」でしかありませんが、1/2という分数は、「1」と「2」ではなく「2つに分けたうちの1つ」という意味を持ちます。分数は、単純な「数」というより、特定の意味を表す「記号」ともいえます。
今まで習ってきた整数とは性質が異なるため、子どもがそれを理解するのは難しい面があります。
分数のイメージをつけるところから始め、基礎的な部分も確認する
分数が苦手な子どもが学習を進めるには、どのようにサポートすればよいのでしょうか。そのポイントをまとめます。
ピザやケーキを切り分けて教える
まずは、分数の意味を理解するため、生活の中でできることを試してみましょう。たとえば、丸いピザやケーキを半分に切り分けると1/2になるのが目で見てわかります。2が分母で1が分子になることを教えてあげましょう。それをもう半分にすると4つに分かれ、そのうちの1つが1/4になります。
また、1/4が4個あると、1になることも理解できるでしょう。このようにして、少しずつ分母と分子のイメージを身につけていきます。
実際のピザやケーキを使わずに、円を描いて説明してもよいでしょう。
料理の手伝いでイメージをつける
生活の中で分数をイメージするために、料理の手伝いをしてもらうのも効果的です。「スプーンに1/2砂糖を入れて」「コップに1/3のお酢を入れて」といった指示をして、分数のイメージをつけていきます。
分母をそろえる意味を説明する
分数の足し算や引き算をするときには、通分して分母をそろえる必要があります。数字や式だけを見ているとイメージしづらいので、初めのうちは図に描いて説明するとよいでしょう。
同じ大きさの円を4等分にしたものと6等分にしたものでは、1つの大きさが異なります。図で表すと、1/4と1/6では、足し引きできないことがひと目でわかるはずです。
九九を使って公倍数・公約数を理解する
分数の足し算・引き算では、通分が必要になるため、公倍数・公約数を理解しておく必要があります。公倍数・公約数の基礎となるのが九九です。小学3~4年生くらいになれば九九ぐらいはできていると思いがちですが、意外とあいまいなところがあったり急いでいてうっかり間違えたりすることもあり、注意が必要です。算数は積み上げが必要な教科です。分数がうまく解けないときには、九九がきちんとできているか、基礎を確認することも大切です。
「足し算・引き算」と「かけ算・割り算」を混同しない
分数の場合、足し算・引き算と、かけ算・割り算では計算方法が異なります。足し算・引き算の練習を十分にしないままかけ算・割り算に進むと、計算方法を混同してしまうことがあります。両者の違いをはっきり認識させておくことも重要です。
ドリルなどでくり返し練習する
分数の計算は、ある程度慣れも必要です。基本的なことが理解できるようになったら、ドリルや問題集を使ってくり返し練習しましょう。くり返し練習することで分数の計算に慣れていくことを目指します。
小学生のうちに分数をしっかり理解して、中学生で学ぶ数学へとつなげる
小学生のうちに分数をしっかり理解できていないと、中学生以降で学ぶ数学に、より難しさを感じてしまいます。
まずは、生活の中で分数がイメージできるような工夫をしながら、慣れていけるとよいでしょう。
なかなか分数の理解が進まないという場合は、学習サポートの1つとして家庭でできるオンライン学習もおすすめです。学研教室オンラインでは、先生と双方向のやり取りで一人一人に合わせてお子さまのつまずきを確実にフォローしていきます。学習サポートをお考えの際には、学研教室オンラインをぜひご活用ください。