2024年3月29日
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小数点のかけ算でつまずかないために 確認ポイントと教え方の注意点
小数のかけ算は、小学生が算数を学習していくうえでつまずきやすい単元の一つといえます。整数との違いや小数点の位置の理解が、難しく感じるポイントと考えられます。子どもがつまずきやすいところと、小数のかけ算の正しい計算方法についてまとめていきます。
小数のかけ算がうまくできないとき、確認しておきたいこと
小数のかけ算が苦手な子どもはどこでつまずいているのでしょうか。確認するポイントをまとめます。
たし算のひっ算や九九が正しくできているか
小数のかけ算をするときには、たし算とかけ算を使います。まずは、たし算とかけ算の基本がきちんとできているかを確認することが大切です。
たし算のひっ算で間違えやすいのは、縦の列がそろっていないことや、くり上がりの計算などです。縦の列がそろっていないと、違う位の数同士を足したり、小数点の位置を書き間違えたりしてしまいます。くり上がりの際には、暗算を勘違いしたり、メモしたくり上がりの数を間違えて足してしまったりすることがあります。
また、基本的なことですが、九九をしっかり覚えていることも重要です。
二桁以上のかけ算のひっ算ができているか
二桁×一桁のときは比較的わかりやすいのですが、二桁以上のかけ算のひっ算になると、わかりにくくなってしまうという子どももいます。どの数をどの順番でかけているのか、また、位を合わせて計算できているかなどを確認する必要があるでしょう。
小数点がつくと、二桁や三桁のひっ算が当たり前になってくるため、かけ算のひっ算をきちんとマスターしておくことはとても重要です。
整数と小数の違いが理解できているか
計算式の数字だけを見ていると、整数と小数の違いがよくわからなくなってくることもあります。そのため、計算したあとどこに小数点を打ったらよいのか迷ってしまいます。
小数点以下は、整数をさらに小さくしたものだということを、しっかり理解しておくことが大切です。
小数点の位置が理解できているか
小数×整数のひっ算をするときは、計算したあとにそのまま小数点を下におろしてくればよいのですが、小数×小数の場合はそうはいきません。
たとえば、3.46×6.7という計算の場合、小数点の位置をそのままおろしてくることはできません。整数と小数の違いが理解できていないと、小数点を正しい位置に書くことが難しくなってしまいます。
文章題への苦手意識がないか
文章題から式を立てるのが難しいというケースもあります。たとえば、「1メートルの値段が250円の布があります。この布を3.2メートル買うといくらになるでしょうか」という文章題を見たとき、どのような式を立てたらよいのかが、パッとイメージしづらいのです。文章題で何を求めたらよいのか、そのためにはどのような計算をしたらよいのかということが頭の中でイメージできないと、小数のかけ算を使う文章題を難しく感じてしまいます。
小数×整数と、小数×小数の計算方法 教えるときの注意点とは
小数と整数のかけ算
小数と整数のかけ算は、次の3ステップで行います。
1.小数点を無視してかけ算をする。
2.小数点の右側にある数字が何個あるか数える。
3.1.で計算した答えに、2.で数えた数字の個数と同じになる位置に小数点を打つ。
たとえば、1.6×4なら、まずは16×4=64と答えを出します。1.6の右側には数字が1個なので、答えも小数点の右側に数字が1個になるよう6.4とします。これが解答になります。
この計算をひっ算で行うと、小数点をそのまま同じ位置におろして答えに小数点を書くことになります。
1.6
× 4
6.4
このとき、機械的に「小数点はそのまま下におろす」と教えるのは避けた方がよいでしょう。前述の通り、小数点以下の数字の個数が異なる計算になると、この方法が使えなくなるからです。1.6×4を計算するときには、「便宜上1.6を10倍にして計算したから、計算後は16を10で割ってもとの桁数に戻す」ということを理解する必要があるのです。
小数と小数のかけ算
小数と小数のかけ算は、次の3ステップで行います。
1. 小数点を無視してかけ算をする。
2. 小数点の右側にある数字がそれぞれ何個あるか数える。
3. 1. で計算した答えに、2. で数えた数字の個数と同じになる位置に小数点を打つ。
小数×整数との違いは、かける数とかけられる数両方の、右側にある数字の個数を数えるという点です。
たとえば、3.8×0.13の場合なら、まずは38×13=494と答えを出します。3.8の右側の数字は1個、0.13の右側の数字は2個です。小数点の右側にある数字の個数は合計3個なので、小数点の右側には数字が3個あることになり、答えは0.494となります。
もう少し詳しく言うと、3.8は10倍して38に、0.13は100倍して13にしているということになります。つまり、10×100で、便宜上1000倍にして計算したから、計算後は1000で割ってもとに戻しているということなのです。
文章題から式を立てるのが難しいとき
文章題に小数が入っていると、何と何をかけたらよいのかわかりにくくなることがあります。
そのようなときは、小数をいったん整数にしてみるのも一つの方法です。
たとえば、「1mの重さが2.3kgのパイプがあります。このパイプ0.4mの重さは何kgですか。」という問題のとき、2.3を23に、0.4を4と置き換えてみます。
すると、「1mの重さが23kgのパイプがあります。このパイプ4mの重さは何kgですか。」となり、23×4を計算して、小数点の右側に数字を2個置けば0.92kgという答えが比較的簡単に導き出せます。
整数にして計算したあと、小数点をどこに書くかがポイント
小数のかけ算を正しく行うには、たし算のひっ算、九九、整数と少数の違いなどをしっかり理解していることが必要です。さらに、重要なのは、答えるときに小数点をどこに書くかという点です。単に小数点の右側にある数字の個数を数えるだけではなく、10倍や100倍にして整数にしたあと、「もとの桁に戻す」ということが意識できると間違いが少なくなるでしょう。
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