2024年5月25日
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雷が起こるのはどうして? 雷が起こる仕組みと音や光について解説します
大きな音と稲光が特徴の雷は、大人でも恐怖を感じる自然現象です。その激しさから、神の怒りなどが連想できるため神秘的なものという印象を抱く方もいると思いますが、科学的にメカニズムを説明することは可能です。なぜ雷が起こるのか、理科の視点から見ていきましょう。
雷は上空の雲の中で起きる大規模な「放電現象」
まず雷とはどのような現象なのか、確認しておきましょう。
雷は大きな「放電現象」
雷は、空の高いところで起こる放電現象です。放電とは、たまっている電気が流れたり、電気が空間を移動したりすることをいいます。上空で放電が起こり、大きな雷鳴や電光が発生して雷になります。
発達した積乱雲が雷を起こす
雷は発達した積乱雲によって引き起こされます。積乱雲は、上空と地表付近の温度差が大きいときに発生します。暑い時期に雷が起こりやすいのはそのためです。
積乱雲の中で氷のつぶ同士がぶつかり、電気を帯びて雷が落ちる
雷がどのようにして発生するのか、順を追って詳しく見ていきましょう。
地上の水蒸気が上空に昇って雲になる
海や川、地表などから水分が蒸発すると、水蒸気になって空へと昇っていきます。特に暑い時期には多くの水蒸気が空へと上昇し、強い上昇気流が起こります。空高く昇った水蒸気は上空の冷たい空気で冷やされ、たくさんの水や氷のつぶとなります。これが雷のもととなる積乱雲になるのです。
氷のつぶがぶつかって電気を帯びる
空は高くなるほど温度が低くなり、雲の中には氷のつぶがたくさんできるようになります。すると、今度は氷のつぶ同士がくっついてさらに大きくなり、つぶ自体が重くなっていきます。重くなった氷のつぶは、積乱雲の中で激しくぶつかり合い、電気を帯びるようになります。
雲の中の電気が+と-に分かれる
雲の中に電気がたまってくると、+と-が発生します。+と-のバランスを保つため、+の電気は上の方へ、-の電気は下の方へと移動していきます。雲の中でとどめておける電気の量が限界に達すると、この-の性質を持った電気が地上に向かって放電し、雷が起こります。
激しい光と音の秘密は、電気が空気中を無理やり通ろうとするから
雷の特徴といえば、雷鳴と呼ばれる大きな音と、雷光や稲妻と呼ばれる光です。それぞれについて、見ていきましょう。
雷の音
通常空気中に電気は流れませんが、積乱雲の中に大きな電気がたまると、それが空気中に流れて雷になります。普通は電気を通さない空気の中を無理やり電気が通るため、その通り道の空気は一気に高温になります。急激に熱くなり爆発的に激しく膨張した空気が、周囲の空気を振動させて、雷の大きな音を発生させるのです。
雷の光
➀雷が青白く見える理由
物質は500℃くらいになると赤く見えるようになり、徐々にその明るさを増していきます。やがて1300℃を超すと、白から青に変化します。
雷が落ちるときには、およそ1億ボルトもの大きなエネルギーが発生し、雷の通り道の温度は約3万℃にも達するといわれています。3万℃もの高温を放つ雷の光が青白く見えるのはそのためです。
➁雷がジグザグに落ちていく理由
雷はジグザグに地表に落ちていきます。なぜ真っ直ぐではなくジグザグに落ちていくのでしょうか。
前述の通り、普通は空気中に電気が流れることはありません。そのため、雷は無理やり空気を引き裂きながら地上へと進んでいきます。進んでいくためには、できるだけ通りやすい道を選ぶ必要があります。そこで、雷は湿度の高いところや空気の薄いところを好んで進みます。
湿度が高いところは水分量が多く、その水分には金属やカルシウムなど電気を通しやすい物質が含まれています。また、窒素や酸素の量が少ない部分は空気が薄く通りやすいといえます。
雷は、電気の通りにくいところではいったん止まってしまいますが、通りやすいところを見つけては進んでいきます。進む、止まる、進む、止まる……とくり返すので、雷はジグザグに見えるのです。
光ってすぐゴロゴロ鳴るのは雷が近くに落ちた証拠
光が空気中を進む速度は音よりもずっと速いため、光と音の間にはタイムラグが生じます。そのため、雷は光ったあとに音が聞こえてくるのです。
光ったあと少し時間が経ってからゴロゴロ鳴るときと、光ってすぐに音が鳴るときがあります。光と音のタイムラグを考えると、光ってすぐに音が鳴るのは近くに雷が落ちたときだということがわかります。
光の速度は1秒に30万km、音の速度は1秒に340mといわれています。光ってから音がするまでの時間を計ると、雷が落ちた場所を計算して特定することができます。
雷のときは、できるだけ早く屋内に入って身を守る
雷は、ときに事故につながることもあり注意が必要です。
電気製品に影響する
家の近くに雷が落ちると、アンテナや電線を通って家庭内にある電気製品に影響を与えることがあります。激しい雷が続くときは、電源を抜いておく、ブレーカーを落とす、電気製品を守る部品を取り付けるといった対処が必要です。
雷の音や光を感じたら屋内へ入って身を守る
雷は高いところに落ちやすいので、木や電柱など、高いもののそばには近づかないことが大切です。また、校庭や広場などの広い場所に人が立っていると、遮るものがないため人に雷が落ちる危険があります。雷の音や光を感じたら、できるだけ早く屋内に入って身を守りましょう。
雷のメカニズムや特徴を知り、理科への興味をはぐくむ
音や光が強烈な雷は、子どもにとって怖さを感じる自然現象ですが、メカニズムや特徴を知ると興味がわいてくるのではないでしょうか。その興味が、今後の教科学習へとつながっていくでしょう。
子どもが自然現象に興味を持ち、学習へと気持ちが向かったときには、一人一人に細やかな学習指導を行う学研教室をぜひお選びください。