2024年6月1日
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子どもの成長に欠かせない「自尊心」 自尊心をはぐくむうえで保護者ができることとは
子どもが成長していくうえで欠かせない自尊心。自分自身を認め、信じることで、子どもは健やかに成長していくことができるといわれています。一方で、日本の子どもは自尊心が低いともいわれています。子どもの自尊心を育てていくためにできることについてご紹介しましょう。
自尊心とは、ありのままの自分を大切に思う心
まずは、自尊心とはどういうものなのか、確認しておきましょう。
自尊心とは
自尊心は、文字通り「自分を尊いと思う心」です。つまり、自分自身を大切に思う気持ちが自尊心ということになります。これは、自分に自信があるということとも少し異なります。自分の能力に自信があってもなくても、ありのままの自分を大切に思えるのが自尊心です。
「自己肯定感」との違い
自尊心と似た言葉に「自己肯定感」があります。同じような意味で使われているため、厳密に分ける必要はありません。あえて言うなら、自尊心は他者の評価も含めて自分の価値を考え、自己肯定感は自己評価から自分の価値を考えるというイメージです。
「自己愛」との違い
自尊心が高い人は自己愛が強いのではないかと思うかもしれませんが、自尊心と自己愛には違いがあります。
自己愛は自分のことを愛するあまり、自己中心的になってしまうことを指します。自分が一番と考え、他者が自分の上に立つことが許せない、相手の意見を受け入れないといった状態になってしまいがちです。
自尊心が低いと、適切な自己主張がしづらくなる
自尊心は、子どもの健やかな成長にプラスの影響を与えてくれるものです。では反対に、自尊心が低いと子どもはどのようになるのでしょうか。
挑戦することを恐れる
子どもは、日々新しいことに挑戦しながら成長していくものです。しかし、自尊心が低いと「自分には無理だ」「挑戦しても失敗するに決まっている」という気持ちが先に立ち、なかなか挑戦することができないといわれています。
自分の考えをはっきり伝えられない
「どうせ自分の考えは間違っている」「何か言って批判されたら嫌だ」と考えて、なかなか自分の考えを表すことができません。不本意なまま周囲に流されてしまいがちです。
物事を悪い方に考えてしまう
同じ出来事でも、自尊心が高い子どもはポジティブに物事をとらえますが、自尊心が低い子はネガティブにとらえてしまう傾向にあります。自尊心が高いと「もう一度チャレンジすればうまくいくかもしれない」と思いますが、自尊心が低いと「やっぱりだめなんだ」とあきらめてしまいます。
うまくコミュニケーションがとれない
周囲の人と話をするとき、「自分の発言は迷惑かもしれない」「間違ったことを言ってしまうかもしれない」と、発言する前から考えてしまい、うまくコミュニケーションがとれないこともあります。
子どもの自尊心が低くなってしまう原因とは
自尊心が低いことによるデメリットがわかってきたところで、子どもの自尊心が低くなってしまう原因を見ていきましょう。
子どもの言動を否定する
子どもは大人に比べて経験が少なく、間違えてしまうこともよくあります。子どもなりに考えて言ったことや、取り組んだことが正しくないということもあるでしょう。しかし、子どもの言動をことあるごとに否定していると、子どもは徐々に自信を失ってしまいます。
しつけが厳しすぎる
大人として子どもを正しい方向へ導く必要はありますが、過度に厳しいしつけをするのは逆効果です。子どもは常に保護者の顔色をうかがい、判断基準が「保護者に怒られないこと」になってしまいます。こういう状況では、なかなか自尊心がはぐくまれないため、注意が必要です。
子どもを褒めない、認めない
褒められる経験が少ない子どもは、自尊心が低い傾向にあります。子どもががんばって取り組んだことを認めないでいると、子どもは「自分には価値がない」と思ってしまいます。保護者から見ると「できて当たり前」と思うことでも、子どもががんばった過程を褒めることは大切です。
何ごとも保護者が指示してしまう
子どもが失敗しないようアドバイスをしたくなることはありますが、それが行き過ぎるのはよくありません。何もかも保護者の指示通りに動いていると、子どもは自分で選択することに自信を持てなくなってしまいます。
子どもの自尊心を高めるには、子どものすべてを受け入れることが大切
子どもの自尊心を高めるには、身近な大人の適切な関わり方が大切です。どのようなことに気をつけて子どもと接すればよいのでしょうか。
子どものすべてを受け入れる
子どもは保護者の態度にとても敏感で、ちょっとしたことでも「自分は嫌われている」「自分には価値がない」と感じてしまいがちです。保護者に愛されていない、認められていないという気持ちが自尊心を低下させていくため、まずは子どものすべてを受け入れるという気持ちを持つことが大切です。
失敗を責めない
子どもが間違えたときや失敗したときに、その都度指摘しないことも大切です。間違いや失敗は当たり前と受け止め、次にどうするかを子ども自身が考えられるようサポートしましょう。失敗を受け止めてもらい、次への指針を示してもらうことで、子どもにも「もう一度挑戦してみよう」という力が湧いてくるはずです。
子どものがんばりを褒める
子どもは、保護者に褒めてもらうととてもうれしく、一気にモチベーションが上がります。褒める際のポイントは、結果ではなくがんばっていた過程を褒めることです。保護者が自分のがんばりを見てくれていたことを感じ、自分自身の価値を感じることができるでしょう。
子どものチャレンジを見守る
子どもが新しいことに取り組もうとしているときには、適度な距離を保って見守ることを心がけます。手や口を出したくなることもあるかもしれませんが、子ども自身の選択をそっと見守る姿勢も大切です。
しっかりとした学力が身につくことも、自尊心を高める一助となります。お子さまの学力アップをお考えの際は、お子さま一人一人に合った丁寧な指導で定評のある学研教室をぜひご利用ください。