2024年6月25日
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地図記号を効率的に覚えるには? 小学生におすすめの覚え方を紹介します
地図記号は、防災の観点などから近年その重要性が注目されつつあります。しかし、数が多く、覚えるのに苦労している小学生も多いものです。中学・高校に進んでも知識として必要になる地図記号。うまく覚えていくためのポイントについて、解説していきましょう。
地図記号が覚えにくいのは、形と実物がつながりにくく数も多いため
地図記号は、地図のうえで施設や土地、道路や地形などを表すものです。地図記号がわかっていると、実生活でも学習を進めるうえでも便利なものですが、覚えにくいところがあるのも事実です。その理由について見ていきましょう。
形から意味を推測できない
記号の形から、実物の形や意味を推測できないため、覚えにくいということがあります。
たとえば、英語の「T」のような形をしたこの記号は「気象台」を表します。気象台の形でもなければ、英語のTで始まるわけでもなく、何をきっかけに思い出したらよいのか悩んでしまいます。実際は、風の速さを測る風速計を横から見たものだそうです。
似た形のものが多い
地図記号には似た形のものが多く、覚えにくいことがあります。たとえば、小中学校は「文」の文字だけですが、高校は「文」を丸で囲っています。違いは丸があるかないかだけなので、取り違えてしまいがちです。
- 高校
- 小中学校
また、灯台・発電所・工場も形が非常によく似ていて、覚えにくいとされる地図記号です。
- 灯台
- 発電所
- 工場
数が多い
地図の縮尺にもよりますが、地図記号は130~160種類あるといわれており、覚える数が多く子どもたちを悩ませています。もちろんすべての地図記号を覚える必要はありませんが、それでも学習を進めるうえでは30種類程度は暗記する必要があります。小学生にとっては、覚えるのが大変な数といえるでしょう。
似たもの同士でグループ分けをしたり、記号の由来を調べたりする
覚えにくい地図記号を効率的に覚えるには、どのような方法があるのでしょうか。
似たものをグループにして覚える
一つ一つを頭から丸暗記していくのではなく、似たものをグループにしてまとめて覚えるのが一つの方法です。グループ分けの例をご紹介しましょう。
国・地方の公共団体や施設
官公庁など:市役所、町役場、裁判所、税務署、消防署、警察署、交番
公共施設:図書館、博物館、病院、郵便局、小学校、中学校、高校、大学
観光系
神社、寺院、城跡、史跡、天然記念物、温泉
工業系
灯台、発電所、工場、風車、煙突
農地系
田んぼ、畑、果樹園、桑畑、茶畑、広葉樹林、針葉樹林
地図記号の意味やできた由来を知る
地図記号の意味や由来がわかっていると、記憶に残りやすいものです。グループ分けで覚えられなかったときは、意味や由来を調べてみましょう。
形が由来
警察署:警官が持っている「警棒」を交差させた形を表しています。
消防署:江戸時代の町火消しは、延焼を防ぐため「さすまた」という道具で周囲の家屋を壊していきました。消火活動で使われていた、このさすまたが地図記号の由来です。
税務署:お金を計算するときに使う「そろばん」の玉の形をしています。
裁判所:裁判の内容を立て札に書いて知らせていた時代があり、その立て札をイメージした地図記号になっています。
文字が由来
学校:「文」という文字が由来です。学校は文字を学ぶところだから、というのがその理由です。
郵便局:郵便局のマークはカタカナの「テ」からきています。郵便局は明治時代「逓信省」という官庁が管轄していました。逓信省の「テ」から、郵便局のマークが誕生しました。
歴史が由来
寺院:仏教やヒンズー教で使われる「卍」は縁起のよい形として信仰されてきました。その形を地図記号にしたのです。
病院:旧日本軍の衛生隊が使っていたマークと、赤十字の形を組み合わせたものです。
かるたなどで遊びながら覚える
机に向かってひたすら暗記するのはつらいという場合は、遊びの要素を取り入れながら暗記するのもおすすめです。
地図記号を描いたカードと、記号の名前を書いた読み上げ用のカードを作り、かるたの要領で覚えていきます。少し形を変えて、神経衰弱にしてもおもしろいでしょう。手作りする過程で、覚えられるという効果もあります。
YouTubeを活用する
「地図記号 YouTube」と検索すると、いろいろな動画が出てきます。記号と一緒に由来を説明してくれたり、戦隊ヒーローが教えてくれたりと、楽しい動画がたくさんあります。楽しみながら覚える一つの方法として、うまく活用してみてはいかがでしょうか。
近所の地図を作ってみる
家の周囲を歩いて地図を作り、そこに地図記号を書き込んで覚えるのも効果的です。歩いて実物を目にすることで、頭の中で地図記号とつながりやすくなります。
新しい地図記号は、外国人や小学生が一目見てわかりやすいものが多い
近年、日本にやってくる外国人がとても多くなりました。そのため、今までの地図記号を外国の人にもわかりやすいものに変更しようという動きも出てきています。たとえば、警棒を交差させた警察のマークは交番のお巡りさんのイラストになり、カタカナの「テ」が由来の郵便局のマークが封筒のマークに置き換えられたりしています。
また、コンビニエンスストアや観光案内所など、最近できた新しい地図記号も、一目見てわかりやすいものになっています。
覚えづらい地図記号ですが、分類をしたり由来を知ったりすることで対策することが可能です。また、遊びの中で覚える方法についても、一度試してみてはいかがでしょうか。
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