2022年11月13日
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教育費用はいくらかかる?幼稚園から大学まで子どもにかかる教育費の総額とは
子どもの成長はうれしく楽しいものですが、教育にかかる費用を考えると、不安がよぎる方もいらっしゃるかもしれません。幼稚園から大学卒業までの長い間、子どもにかかる教育費はいったいどのくらいの金額になるのでしょうか。
子どもにかかる教育費。その目安とは
公立と私立、習い事や塾などさまざまな条件はあるものの、教育費の平均額は知っておきたいものですね。例として、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と通った場合、それぞれの時期に、どの程度の教育費がかかるのかをまとめました。表の金額は、子ども1人あたり1年間にかかる教育費の平均額になります。
幼稚園でかかる費用
公 立 | 私 立 | |
---|---|---|
幼稚園での指導・活動費 | 120,738円 | 331,378円 |
幼稚園でかかる給食費 | 19,014円 | 30,880円 |
幼稚園外でかかる活動費 | 83,895円 | 165,658円 |
幼稚園でかかる費用の総額 | 223,647円 | 527,916円 |
「平成30年度子供の学習費調査の結果について」文部科学省.より作成
https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf
公立の幼稚園で年間にかかる費用は12万円程度。給食費は2万円程度です。幼稚園外でかかる活動費というのは、学習教室や習い事のこと。この時期は、まだ幼稚園外の活動費はそれほど高くないといえます。
また、私立幼稚園では総額で公立幼稚園の2倍以上の費用が必要となります。幼稚園の段階で、公立と私立では大きな差があることがわかります。
表は1年間にかかる費用のため、2年保育、3年保育によっても差が出ることになります。
小学校でかかる費用
公 立 | 私 立 | |
---|---|---|
うち学校教育費 | 63,102円 | 904,164円 |
うち学校給食費 | 43,728円 | 47,638円 |
うち学校外活動費 | 214,451円 | 646,889円 |
学習費総額 | 321,281円 | 1,598,691円 |
「平成30年度子供の学習費調査の結果について」文部科学省.より作成
https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf
公立小学校でかかる教育費用の約6万3千円と比べると、私立小学校では90万円以上と、非常に大きな開きがあり、その差は14倍にものぼります。
また、小学校に入ると学校外活動費がぐっと増えることがわかります。教育費用ほどではありませんが、学校外活動費も公立と私立では3倍の差があります。
小学校では学費を中心に、公立と私立では大きな開きがありますので、私立を選ぶ際は、これだけの費用がかかることを念頭に置いておきましょう。
中学校でかかる費用
公 立 | 私 立 | |
---|---|---|
うち学校教育費 | 138,961円 | 1,071,438円 |
うち学校給食費 | 42,945円 | 3,731円 |
うち学校外活動費 | 306,491円 | 331,264円 |
学習費総額 | 488,397円 | 1,406,433円 |
「平成30年度子供の学習費調査の結果について」文部科学省.より作成
https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf
中学校では、公立の学校教育費が小学校の倍以上に増加します。教材費が増えたり、制服をはじめ学校指定の持ち物が増えたりすることが影響しているのかもしれません。
小学校に比べるといくらか差は小さくなりますが、やはり私立では学校教育費にかかる費用が公立の7倍にのぼります。
一方、学校外活動費の支出は公立と私立でほぼ同程度に。また、中学生になると部活動などで、小学生のときと比べて年間にかかる学校外活動費が公立では9万2千円ほど増加します。
高校でかかる費用
公 立 | 私 立 | |
---|---|---|
うち学校教育費 | 280,487円 | 719,051円 |
うち学校外活動費 | 176,893円 | 250,860円 |
学習費総額 | 457,380円 | 969,911円 |
「平成30年度子供の学習費調査の結果について」文部科学省.より作成
https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf
高校からは義務教育ではなくなり、公立高校の学校教育費は14万円ほど増え中学の約1.5倍になります。一方私立の学校教育費は若干少なくなりますが、公立との差は43万円ほど。3年間で130万円以上の差が生じます。
公立・私立ともに学校外活動費は中学のときより少なくなります。
高校の場合、受給資格を満たしていれば「高等学校等就学支援金制度」を利用して、授業料が無料になるケースもあります。保護者の所得によって受給額が異なるため、高校入学時内容をよく確認して申請するとよいでしょう。
大学でかかる費用
国公立大学 | 私立大学文系 | 私立大学理系 | |
---|---|---|---|
入学にかかる費用 | 714,000円 | 866,000円 | 845,000円 |
在学にかかる費用 (1年間) |
1,070,000円 | 1,576,000円 | 1,843,000円 |
卒業までの総額 (4年間) |
4,994,000円 | 7,170,000円 | 8,217,000円 |
「子ども1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)が減少」日本政策金融公庫.より作成
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r01.pdf
大学では、入学時に入学金・授業料・施設整備費などで大きな費用がかかります。それに加えて年間にかかる費用は国公立でも100万円以上。また、国公立と私立で大きな差があるのはもちろん、理系の学部ではよりたくさんの費用がかかります。医学部ともなれば、年間500万円ほどかかることも。
また、子どもが地元を離れて1人暮らしを始める場合は、仮に仕送りをするとなると、平均で年間100万円ほど、引っ越し費用で40万円程度かかるといわれています。
あくまで平均値ですが、小学校~高校までは公立、大学は私立文系で自宅から通う場合でも、総額11,935,017円の教育費用がかかるという計算になります。
教育資金を貯めるなら保険や定期預金、足りないときは奨学金や教育ローンを利用する
教育費用の平均額がわかってきたところで、貯蓄の方法や今後の教育費について不安、心配を抱えているときの対応方法についてご紹介していきます。
子ども保険・学資保険
多くの人から選ばれているのが、貯蓄型の子ども保険や学資保険です。毎月必ず保険料を支払い続け、高校や大学の入学時に満期を迎えるというパターンです。保護者に万一のことがあっても「保険料払込免除」の契約をしておくと、支払いそのものは免除になり満期に保険金を受け取ることができます。
定期預金・積み立て定期預金
定期預金はいったん預けると、解約しない限り途中で引き出すことができません。普通預金にお金があるとなんとなく使ってしまいがちですが、定期預金にしておくとそういった無駄遣いを防ぐことができます。
積み立て定期預金は、子ども保険・学資保険と同じように毎月決まった金額を預けるという預金方法です。最近は金利が低いため、お金を増やしたい人にはあまり向いていませんが、手堅く貯めていくことができます。
奨学金
高校では、先に紹介した「高等学校等就学支援金制度」のほか「高校生等奨学給付金」が国の制度として利用できます。また、各都道府県でも独自の支援制度を設けています。公的な支援は、基本的に学費等の助成や減免といった形になります。
民間の企業や団体の行っている奨学金制度もあり、私立の場合は学校独自の奨学金制度を設けているところもあります。
民間で行っている奨学金を探す場合は、「奨学金 高校生」と検索してみるとよいでしょう。
大学で利用できる奨学金には給付型(返済が不要)と、貸与型(返済が必要)の2種類があります。さらに、貸与型には利子がつくものとつかないものがあり、それぞれに借りられる条件が異なります。
大学を卒業して就職してから子ども本人が返済することになりますが、子どもの将来を考えるとあまり負担が大きくならないよう調整したいところです。
教育ローン
授業料や受験料など、教育にかかる費用に使えるのが教育ローンです。日本政策金融公庫が扱う「国の教育ローン」は金利が低く、返済しやすいのが特徴です。ただし、借入金額は最大で350万円までと決まっています。
一方、民間金融機関の教育ローンは、金利は高めですが借入金額は1000万円以上と高額です。いずれも返済の必要があるため、借入金額はよく考えて設定する必要があるでしょう。
公立か私立か、塾や習い事をどのくらいするか、大学は文系か理系か、実家から通うか1人暮らしか……など、さまざまな状況が考えられますので、平均的な費用を参考に、今後の資金計画を立てるとよいでしょう。