2022年11月17日
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国語の読解力を伸ばすには?小学生の読解力を伸ばすために大人がサポートできること
最近、日本の子どもの読解力が低下してきているといわれています。そんな報道を目にすると、わが子の読解力は大丈夫かな?と、気になってしまうもの。子どもの読解力はどのように伸ばしていくのが良いのでしょうか。
読解力とは「理解する」「考える」「利用する」こと
読解力は国語の成績に関わるだけでなく、大人になり仕事に就いた後でも必要となってくる力です。ところが、2019年の「国際学習到達度調査」では日本の子どもの「読解力」は2016年の8位から15位に下がったという結果が出ました。
文部科学省では読解力を「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」と定義しています。
(出典 : 「全国的な学力調査の実施方法等に関する専門家検討会議」文部科学省.
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/031/shiryo/05120201/007.htm)
つまり、内容を正しく理解してその意味を深く考え、さらに自分の意見としてアウトプットできるようになることまでが含まれているわけです。
これができないと、後々自分の意見を言えずに不利な状況に立たされたり、フェイクニュースに騙されたりするリスクが高まる可能性もあるのです。
なぜ子どもの読解力は低下しているのか?
本や新聞に触れる機会が減り「長文を読む経験」「長文を読む光景」が減った
読解力低下の原因として、スマートフォンやパソコンから手軽に情報を取得できるようになったため、本や新聞に触れる機会が少なくなったことが考えられます。情報機器の文章は短文で書かれていることが多く、長文をじっくり読む経験が少なくなってきているのです。
また、子ども自身が本を読まないことに加え、大人も本を読む習慣がなくなり、新聞をとっていないことも多く「長文を読む光景」そのものが、子どもの身の回りから減っている可能性があります。
SNSの影響で略語が増えたり正しい日本語を使わなくなったりしている
短い文章でやりとりするSNSが一般的になり、略語や造語が増えたことも影響しています。
読解力を高めるためには、語彙力が必要です。さまざまな感情を「やばい」の一言で表現するなど、使う言葉の数が減っていることや正しい日本語を使わなくても意味が通じてしまうことも理由の一つと考えられます。
価値観の異なる人との交流が減っている
語彙力を増やすという意味で、さまざまな年齢や異なる考え方の人と接することは、とても重要なことです。子どもが祖父母と同居する家庭は少なくなり、幅広い年代の人の価値観を知る機会は減る傾向にあります。日本に古くからある言い回しや表現に接する機会が減り、それが読解力に影響している可能性もあります。
小学校低学年から読解力を身につけるには
子どもの読解力を高めるにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。その方法について解説していきます。
語彙力を身につける
文章を理解するには、たくさんの言葉を知っている必要があります。語彙力を増やすことは読解力向上の基本。そのためにも、まずは子どもとたくさんおしゃべりをすることから始めましょう。
教え込もうとするよりも、例えば、会話の中で「イケメン」という言葉が出てきたら「二枚目っていう言い方もあるの知ってる?」などの言葉がけをし、子どもの興味の延長線上で言葉を増やしていくようにするとよいでしょう。
本を読む習慣をつける
言葉の数が増えてきたら、本を読む習慣を身につけましょう。日常的に本を読む習慣のある子どもは、読解力が高い傾向にあります。「本」というと物語を読ませなければいけないと思うかもしれませんが、子どもが興味を持ったものなら何でもかまいません。「まんがは勉強の邪魔になる」と思う方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。興味・関心が低い内容の字面をただ目で追うよりも、心が動かされるまんがの方がより言葉が入ってくるものです。ぜひ、子どもの好きなものをたくさん読ませてあげてください。
「あらすじ」を話してもらって要約する力をつける
子どもが本を読んだら「どんなお話だった?」とあらすじを聞いてみましょう。あらすじは内容のポイントをまとめたものなので、話すことで内容を要約する力がついていきます。
最初は絵本などの短いものから始めて、「主人公は誰なの?」「その子がどうなったの?」と、順を追って子どもが話しやすいように質問していくとよいでしょう。
音読して正しく読めているかをチェックする
声に出して教科書を読むと、文字を正しく追うことができ、読解力アップにつながります。というのも黙読をしていると、文字を読み飛ばしてしまう可能性があるからです。
例えば、「今日は嫌いなピーマンを食べた」と「今日も嫌いなピーマンを食べた」では、1字違いでも意味合いが異なってきます。内容を正しく理解するためには正しく読む必要があり、その意味で音読はとても効果的な方法といえます。
子どもとたくさん話したり本を読んだりして読解力を高めよう
読解力は国語だけでなく、算数の文章問題など他の教科でも必ず必要な力です。本を読むのはもちろんですが、日常の何気ない会話でも読解力を高めていくことは可能です。ぜひ、お子さんとたくさん話をしたり、読んだ本の内容を聞いてみたりしてみましょう。
学研教室では、文章をよく読み、自分で考えて問題を解く力をはぐくみます。お子さんの読解力向上に、学研教室をご活用ください。