2023年1月13日
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プログラミング教育が必修化されたのはなぜ?プログラミング教育の目的とその内容とは
プログラミング教育が必修化されたと聞いて、「小学1年生からプログラミングなんて無理じゃないの?」と、感じていた方もいるかもしれません。今なぜ、プログラミング教育なのか、また、実際にどんな内容を学ぶのかについて解説していきましょう。
ICT化の進んだ世の中で必要になるプログラミング教育
2020年に新しい学習指導要領が施行され、小学校ではプログラミング教育が必修化されました。その背景には、急激なICT技術の進歩があります。
誰もがスマートフォンを持ち、インターネットを通じてやり取りをしたり情報を取得したりする世の中で、ICTは私たちの生活に欠かせない存在になっています。今後さらに発展していくICT技術に対応するためにも、これからはプログラミングの知識が必要となります。
今の日本では、システムエンジニアやプログラマーといったICT関連の人材が不足しているといわれています。子どものうちからプログラミングに親しむことで、ICTを身近な存在と感じることができれば、人材不足の解消にもつながります。
プログラミング教育を通してコンピュータやロボットなどに興味を持つ子どもが増えれば、日本の国力や国際競争力という点から見ても大変心強いものです。
また、ICTの知識を身につけることで、子ども自身、将来の職業選択の幅が広がります。
直接ICTに関わる仕事をしなくても、ICT化に対応できる力はいろいろな場面で必要になってくるでしょう。さまざまな技術を支えるプログラミングは、これからを生きていく上で欠かせないものとなっているのです。
プログラミング教育の目的と身につく力とは
プログラミングというと、複雑なプログラミング言語を使うことをイメージするかもしれません。しかし、小学校で行うプログラミング教育は、決して複雑なプログラミング言語を用いた専門的な内容ではありません。
小学校で行われるプログラミング教育は、どのようなことを目指しているのでしょうか。
プログラミング的な思考を育てる
小学校のプログラミング教育では、「プログラミング的思考」を学ぶことが中心となっています。プログラミング的思考とは、自分のやりたいことを実現するために、論理的に考え、課題を見つけ改善していく考え方のことをさします。
やりたいことを目標に据え、そのためにどのような動きが必要か、動きの組み合わせをどうするか、うまくいかなかったときどのように改善したらいいのか、といったことを考えるのが学習の大きな目的です。
基礎的なICTの知識が身につく
子どもたちが大人になるころには、今よりもっとICT技術は進んでいるでしょう。生きていくうえで、プログラミングの知識を活用するのが当たり前の時代になっていくのです。ICTの知識が基礎的な教養となる将来のため、プログラミング教育は欠かせないものといえるでしょう。
新しい大学受験に備える
大学入学共通テストでは、2024年から「情報」という科目でプログラミングが出題されることが決まっています。高校の「情報」の教科書では、いくつかのプログラミング言語が扱われているため、当然入試でもプログラミング言語にかかわる問題が出されると考えられます。
小学生のうちからプログラミングに触れることで、基本的な知識が身につき、大学入試に備えることができるでしょう。
問題解決能力が身につく
プログラミングの学習では、ものごとを順序立てて考える練習を行います。目標を達成するために試行錯誤を重ねることで、自分の力で問題を解決する力がついていきます。
ワークシートや命令ゲームでプログラミング的思考を育てる
お子さんの時間割に「プログラミング」という教科がないのを不思議に思う方もいるかもしれません。実は、プログラミング教育は科目として設置されているわけではありません。理科・算数・国語・音楽といった教科の中や、教科とは別の特別活動や学校イベントなどの中で行われています。
では、実際のプログラミング教育では、どのようなことを行っているのでしょうか。
ワークシートに順序を記入していく
いわゆる「フローチャート」形式で、目標達成するまでの手順をワークシートに記入していきます。
たとえば、「歯をみがく」という作業の場合、「洗面所へいく」「コップに水を入れる」「歯ブラシを手に取って歯磨き剤をつける」……などと、子ども自身で考えながら順序を書いていきます。フローチャートの作成は、のちのちプログラミングをしていく上での基礎となる作業です。
「命令ゲーム」命令する人の指示に従って行動する
ワークシートに記入した順序に従って、一人が命令し、もう一人がその指示に従って行動するゲームです。命令する人がプログラムを組んで実行する役、行動する人が実行されたプログラムの通りに動くコンピュータの役となります。
付箋を使って手順を入れ替えたりグループ分けしたりする
ワークシートと同様に、手順を考えるために付箋を使うこともあります。紙に書くといちいち消しゴムを使わなければなりませんが、付箋の場合は簡単に順序を入れ替えることができます。
また、特色によってグループ分けをするときなどに付箋を使うこともあります。たとえば、バラ・チューリップ・たんぽぽは「花」のグループ、いわし・さんま・サバは「魚」のグループなどと分けるときに使います。
グループ分けは、データを分類してデータベースを作る際に必要となる手順です。
カードを使ってオリジナルダンスを作る
「ジャンプ」「まわる」「スキップ」など、ダンスの動きが書かれたカードを用意して、それを自由に組み合わせ、オリジナルのダンスを作ります。
ダンスの構成を考え、実際に体を使って実行するのは、「プログラミングによる指示と実行」に当たります。
子どもは楽しみながら、プログラミングの仕組みを学んでいくことができます。
子どもにも扱えるプログラミング教材で遊ぶ
スクラッチ(Scratch)やマインクラフトなど、子どもが直感的に扱えるプログラミングの学習ソフトを使うこともあります。
タブレットを使い、ゲーム感覚で楽しみながらプログラミングを学習していきます。
ICT技術を身につける上でも社会を生き抜く上でも必要となるプログラミングの力
プログラミングの知識や技術は、子どもたちがICT化社会を生き抜くうえでとても重要なものです。中学校、高校、大学と進んでいく中でもプログラミング教育は必須であり、社会に出てからもプログラミング的思考で培った論理的思考力や、問題解決能力が子どもの助けとなるでしょう。
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