2023年2月11日
- 幼児
- 小学生
- 子育て
子どもの協調性を育てていくために 年齢別の特徴と保護者ができることとは
集団生活の中で、子どもが一人で遊んでいたり友達とうまくコミュニケーションがとれていなかったりすると、保護者は心配になってしまうものです。社会生活を送るうえでも欠かせない協調性を育てるにはどうしたらよいのでしょうか。
協調性とはお互いの違いを認めてスムーズにものごとを進める力
社会で生活していくうえで、協調性を身につけるのは大切なことといえます。協調性は、考えの違いや取り組み方の違いをお互いに認め、衝突することなくものごとを進めていく力です。これは、単にがまんして周りに合わせるという意味ではなく、他者の意見を受け入れたうえで自分の意見も伝え、よりよい方向で一緒に活動していくということです。
集団生活ではさまざまな環境で育った子どもたちが集まり、一緒に一つのことに取り組む場面がたくさん出てきます。協調性が十分に育っていないとそういった状況をうまく切り抜けることが難しくなり、その積み重ねが子どもの生きづらさにもなっていきます。
ここで、協調性が低いことによるデメリットと高いことによるメリットをまとめておきましょう。
協調性が低いことによるデメリット
・わがままな人だと思われやすい
・困っているときになかなか協力してもらえない
・異なる意見を聞く機会がなく独りよがりになりがち
・先生や友達が信用できない
協調性が高いことによるメリット
・友達がたくさんできる
・困ったときに周囲に協力してもらいやすい
・ものごとをスムーズに進めやすい
・先生や友達のことが理解できる
3~4歳は協調性の土台作り 5~6歳で協調性がぐっと育つ
協調性は、年齢が上がるごとに少しずつ育っていきます。それぞれの年齢で、どのように育っていくのか見ていきましょう。
3歳ごろまで
3歳ごろまでは、自分が関心のあること以外にはあまり注意が向かないものです。遊びたいおもちゃがあったら自分で遊ぶのが最優先で、誰かに譲ろうという気持ちにならないのはごく普通のことです。
3年保育で初めて集団生活の中に入ったとき、友達との間でトラブルが起きやすいのはそのためです。この年齢までは、一人で遊んでいても友達とけんかをしても「協調性がないのでは……」と、気にすることはありません。
まだ協調性が育つ発達段階ではないと考え、必要以上に焦ったり心配したりする必要はないでしょう。
4歳
少しずつ友達との関わりも増え、先生や友達を意識するようになる年齢です。食べ物やおもちゃなど「物」に向いていた興味が、自分以外の人や子ども向けの番組に出てくる好きなキャラクターなど「人」へと向かい始めます。
集団生活の中でルールがあることを覚え、ルールに沿ってゲームをしたり、チームスポーツに取り組んだりすることもできるようになります。
5~6歳
5~6歳ごろになると、言葉によるコミュニケーションもだいぶ活発になり、相手を思いやる気持ちも芽生えてきます。この時期に集団の中で多くの経験を積み、積極的に先生や友達と関わることで、協調性はよりよくはぐくまれていきます。
子どもの協調性を育てるためにフォローできること・注意すること
多くの人と関わることで育っていく協調性。集団の中で育つのはもちろんですが、家庭でできることもあります。子どもが他者を思いやるようになるのは5~6歳ごろといわれていますが、それ以前にできることも合わせてご紹介していきましょう。
家庭でできること
保護者が他者とコミュニケーションする姿を見せる
まずは、保護者が他の人とコミュニケーションをとる姿を見せることです。保護者にも友達がいること、友達と過ごすのは楽しいということ、お互いに譲り合いながら過ごしていることなどを子どもに見せていきましょう。
友達だけではなく、保護者同士のつきあいや親戚づきあいなどでもOKです。その姿は、子どものよいお手本になるはずです。
お手伝いをしてもらう
家の手伝いを積極的にしてもらうのもおすすめです。お手伝いをして家族が感謝してくれると、自分ががんばってお手伝いしたことで家族が助かっていることがわかり、より相手に喜んでもらおうと思うものです。
相手の気持ちを思いやる練習にもなり、協調性を育てていくうえでとても効果的です。
挨拶をする
朝起きたら「おはよう」、食事の前後には「いただきます」「ごちそうさま」などの挨拶を欠かさないようにしましょう。
挨拶は、コミュニケーションの基本です。声をかけることで相手もこちらへ注意を向け、お互いの存在を意識します。コミュニケーションのきっかけとなる挨拶の習慣を、家庭の中でしっかりと身につけられるとよいでしょう。
相手の気持ちを想像するような声かけをする
協調性の基本は相手の気持ちを思いやる、というところにあります。子どもは自分中心の世界に生きているため、小さいうちは相手の気持ちを想像することに慣れていません。
たとえば、絵本を読んだときに「どんな気持ちなんだろうね」と声をかけ、登場人物の気持ちを想像してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
少しずつ、自分の気持ちだけではなく、他者の気持ちを思いやることができるようになるはずです。
集団の中でできること
集団の輪の中に入るサポート
子どもによっては、集団の輪に入るのが苦手ということもあるでしょう。そんなときは、大人がきっかけを作ってあげてもよいのです。
保護者が一緒なら「一緒に遊ぼう」と代わりに声をかけてあげればよいですし、幼稚園や保育園ならあらかじめ先生に頼んでおいてもよいでしょう。
協調性を育てるのには、友達同士の関わりがとても重要です。きっかけさえあれば、あとはスムーズになじんでいけることもあるはずです。
競争心を煽らない
どちらが早く走れるか、絵がうまいのはどちらか……など、保護者がわが子と他の子を比べるようなことは避けた方がよいでしょう。勝ち負けでものごとを判断する習慣がつくと、自分さえよければよいという考えが身について、他者と協調することが難しくなってしまいます。
みんなでいるときは、全員が楽しく過ごせるのが一番、ということを教えていけるとよいでしょう。
ゲームや遊びの中でルールを守る意識づけをする
ゲームは一定のルールに沿って楽しむものです。ルールを守ることで、みんなが嫌な思いをせずに過ごしていけることがわかるようになります。
ブランコなどで「○○回こいだら交代ね」などと約束するのもよいでしょう。みんなが同じ回数だけ遊べることで、不公平感がなくなると理解できるはずです。
協調性をはぐくむのに役立つ「習い事」を活用する
協調性を育てるために、習い事をうまく利用するのも一つの方法です。
野球やサッカーなどの団体競技は、ルールを守ったりお互いに助け合ったりする必要があるため、協調性を育てるのに役立ちます。
ダンスやリトミックなど集団で一つの作品を作り上げるような習い事は、発表会に向けてみんなで力を合わせる中で、協調性をはぐくんでいくことができます。
また、楽しみながらルールを身につけていくレクリエーションのある幼児教室や英語教室もおすすめです。
大人から見ると、いつでも誰とでも仲良く楽しく過ごしてほしいものですが、おとなしい子や自分のペースを守りたい子など、子どもの性格はさまざまです。また、発達には個人差があるため、早いうちから「協調性がなくて困る」と焦る必要はありません。
お家でできることを進めながら、子どもの成長をゆったり待つことも大切です。
学研教室では、さまざまな学年の子どもたちが同じ教室で学習することを通して、勉強だけではなく、ともに学ぶ協調性もはぐくんでいきます。子どもの健康な発育をお考えになったら、学研教室をぜひご検討ください。