2023年5月25日
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「メタバース登校」という新たな取り組み 不登校の子どもに活用され始めたメタバース
近年、話題のメタバース。ゲームなどでメタバースを体感したという方も多いのではないでしょうか。そのメタバースが教育にも使われ始めていることをご存知でしょうか。メタバース登校とはどのようなものなのか、また、そのメリットやデメリットについて解説していきます。
不登校の子どもたちのために始まった「メタバース登校」
「メタバース」とは、インターネットを利用して作られた仮想空間のことをいいます。インターネットにつながった端末からオンライン上の仮想空間に入り、アバターと呼ばれる自分の分身キャラクターを使ってメタバースの中で活動します。
オンラインゲームを中心に、さまざまな企業がメタバース事業に参入しはじめていますが、教育にもメタバースを活用しようという動きが出てきています。
学校へ通えない子どものための新たな居場所
年々増え続けている不登校の子どもたちのために、メタバースを活用しようという取り組みが始まっています。
学校へ通えなくなると、多くの子どもは家で過ごすようになります。フリースクールなどに通う子どももいますが、実際のところは、家から出られない子の方が圧倒的に多いといわれています。
外出するのが難しい子にとっての居場所や学習機会を提供するため、メタバース登校が検討されるようになりました。
メタバース登校とは
メタバース登校とは仮想空間の中に学校を作り、そこへ登校して授業を受けたり学校の活動を行ったりするシステムのことをいいます。教室や職員室などを設置して先生やスタッフを配置し、他の不登校の子どもたちとコミュニケーションをとりながら過ごすことができます。
現時点でメタバース登校を取り入れている自治体はわずかですが、メタバース登校を学校の出席認定とするといった取り組みも少しずつ進められています。
メタバース登校のメリットとデメリット
メタバース登校のメリット
家にいながら学校の勉強や活動に参加できる
不登校の子どもの多くは「学校に行きたいけれども行けない」という気持ちを抱えて苦しんでいます。そういった子どもたちにとって、メタバース上で授業を受けたり学校の活動に参加したりできるのは、大きな救いとなるはずです。
実際に、今まで家から出られなかった子が、メタバース登校を経てフリースクールや学校に通えるようになったという例もあるそうです。
日中の居場所となる
不登校でも「学校へは行かなければならない」と思っている子はとても多く、家にいても居心地が悪いと感じるケースは少なくありません。メタバース登校ができると、その時間は「学校に行っている」と感じることができるため、そこが自分の居場所と思えるようになります。
先生や仲間たちとコミュニケーションをとる中で、徐々に元気を取り戻していくことが期待されています。
メタバースならではの楽しい学びがある
多彩な映像や音響など、メタバースならではの学び方ができるのもよいところです。また、アバターなら素顔を出さなくてよいので、いつもより積極的になれるなど、仮想空間特有の楽しみ方でいろいろな活動に取り組むことができるでしょう。
メタバース登校のデメリット
メタバース登校を利用できる学校が少ない
メタバース自体が新しい技術であり、メタバース登校の取り組みも始まったばかりのため、実際に利用できるケースはまだまだ少ないのが現状です。
また、インターネット環境や端末機器が揃っていることが前提のため、自宅にない場合は費用をかけて準備をする必要があります。
リアルで人と接するのが苦手になる可能性がある
仮想空間でのコミュニケーションに慣れてしまうと、現実での対人関係が面倒になってしまうという可能性もあります。
「アバターならいろいろなことができるのに」と、現実世界ではなかなか実際の行動につながらないといったことも起こり得るでしょう。
視力や姿勢が悪くなることも
じっと端末機器の画面を見ていることで、視力が低下する、姿勢が悪くなるという可能性があります。
メタバース登校を始めるために必要なこと
メタバース登校を始めるには、インターネットにつながる通信環境と、パソコンやタブレットといった端末機器が必要です。
また、メタバース登校を行っている自治体はごくわずかです。お住まいの地域でメタバース登校ができるかどうかを確認する必要があるでしょう。
・メタバース登校ができる自治体(2023年6月時点)
埼玉県戸田市
岐阜県岐阜市
東京都文京区
岐阜県大垣市
広島県
東京都世田谷区
東京都中野区
メタバース登校ができる環境が整ったら、利用登録をしてメタバース空間にログインし、自分のアバターを作ります。そのアバターで用意された教室に入り授業を受ける、というのがメタバース登校の実際の流れです。
新しい技術のため、今後取り組み方が変化していく可能性はありますが、不登校の子どもの学習機会を確保するうえで、一つの選択肢になりつつあるといえるでしょう。
不登校になると「学校の勉強についていけなくなるのではないか」という心配が生じます。そのようなときは、お子さまのペースに合わせて丁寧に学習指導を行う学研教室オンラインをぜひご活用ください。
