2023年7月5日
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夏は消費電力が増える! 自宅でできる「夏の節電対策」
昨今の暑い夏を乗り切るには、エアコンが欠かせません。ただ、環境への配慮や電気代の高騰を考えると、できるだけ上手に節電したいものです。子どもと一緒に無理なくできる、家庭での節電対策について考えていきましょう。
節電が必要な理由とは

社会生活を送るうえで、電気は欠かせないエネルギーです。わたしたちの暮らしが便利になればなるほど、電気の使用量は増えていく傾向にあります。特に夏はエアコンの稼働率が高く、電力消費の多い時期といえるでしょう。
ただ、電力を使い過ぎるといろいろな問題が生じます。節電には大きく二つの目的があります。
停電を防ぐ
電気を使い過ぎると停電になる可能性が高まります。電気の供給量は決まっており、急に増やすにも限界があります。そのため、みんながたくさん使用すると供給量が不足し、停電してしまうかもしれないのです。夏の暑い時期に停電になると、熱中症になったり、冷蔵庫の中の食べ物が悪くなってしまったりといったリスクが生じます。こういった事態は避けなければなりません。
また、工場やインフラなど社会生活に必要不可欠なところへの電気の供給がストップしてしまうことも考えられます。大規模な停電を防ぐためにも、家庭での節電はとても重要な意味を持つのです。
電気を作り出す資源を大切にする
電気を作り出すためには、石油・石炭・天然ガスなどの資源が必要になります。こういった資源は永遠に湧き出てくるわけではなく、使い過ぎると枯渇してしまうものです。地球上の限られた資源を大切にするためにも、節電をすることが必要なのです。
資源エネルギー庁の調査によると、1973年度の調査では家庭内のエネルギー消費のうち、電気が占める割合は28.2%でしたが、2020年度の調査では49.9%に達しています(※)。
社会生活や生活様式の変化などはありますが、この結果から見ても、家庭での節電はとても重要な意味を持つことがわかります。
※経済産業省 資源エネルギー庁「国内エネルギー動向」
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2022/pdf/2_1.pdf
自宅でできる節電対策 エアコン・冷蔵庫・その他の家電製品
では、自宅でできる節電対策についてご紹介していきましょう。
エアコンの節電対策

夏の時期、最も気になるのがエアコンの使い方です。節電をしたくても、連日の猛暑の中暑さをがまんするのはつらいものです。また、子どもが夏バテや熱中症になる危険性もあるため、無理は禁物です。エアコンを使う際には、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
1) 扇風機・サーキュレーターを併用する
風を受けると体の熱を下げられるので、エアコンと一緒に扇風機やサーキュレーターを利用するとよいでしょう。扇風機やサーキュレーターを併用すると、冷たい空気が循環するので設定温度を下げ過ぎずに済みます。また、扇風機やサーキュレーターの風が、直接体にあたらないようにしましょう。
2) フィルターの掃除をする
フィルターにほこりがたまって目詰まりすると、エアコンの効きが悪くなり、より多くの電力がかかります。2週間に1回を目安に、フィルターの掃除をするようにしましょう。
3) できるだけ1部屋に集まる
家族が2部屋以上に分かれていると、それぞれの部屋でエアコンをつける必要があります。
宿題や遊びは子ども部屋ではなく、家族が集まるリビングで行う習慣をつけてみてはいかがでしょうか。
4) 室外機に日よけをする
家の外に設置してある室外機に直接日光が当たっていると、熱を発散しにくくなり、エアコンが効きづらくなります。設置するときにはできるだけ日陰か風通しのよい場所に置くとよいでしょう。直射日光が当たってしまう場合は、室外機用の日よけをかけるのもおすすめです。
5) グリーンカーテンを設置する
窓から入ってくる熱も部屋の温度を上げる原因になります。窓の外にグリーンカーテンを作って日光を遮るようにすると、エアコンの設定温度を下げ過ぎずに済みます。グリーンカーテンとはつる性の植物で壁面や窓を覆い、夏の強い直射日光を和らげる手法のことです。植物を育てるのは、子どもにとってもよい経験になります。植物が育っていく過程を楽しみながら、節電対策ができるのもよいものです。
冷蔵庫の節電対策

冷たい食べ物や飲み物が欠かせない夏には、冷蔵庫を開ける機会が増えるものです。また、気温が高くなると冷蔵庫の消費電力が増えるため、その使い方にも工夫が必要です。
1) 開け閉めの回数を減らす
冷蔵庫を開けると、そのつど冷気が外に出て行ってしまいます。そのため、できるだけ冷蔵庫の開け閉めをしないことが節電につながります。
子どもにも冷蔵庫からものを出すときにはまとめて出すよう、よく話しておきましょう。
2) 詰め込み過ぎないようにする
あれもこれもと食材や飲み物を冷蔵庫に詰め込むと、冷気が十分に行き渡らなくなり冷蔵の効率が悪くなります。その分消費電力が増えるため、詰め込み過ぎには要注意です。冷蔵庫に物を入れるときには、少しすき間を空けて置くように心がけましょう。
冷凍庫については、逆に物を詰めておくと温度が上がりにくく、食品の劣化を防ぐこともできます。
3) 設定温度を「中」にしておく
冷蔵庫の設定温度が「強」になっていると、消費電力が大きくなります。冷蔵庫の設定温度は必ずしも「強」にしておく必要はありません。「強」から「中」にしておくだけでも、節電効果は高まります。
4) ビニールのカーテンをとりつける
冷蔵庫の消費電力が増えるのは、冷気が外に逃げた、冷却機能が働くときです。冷蔵庫を開けたときにできるだけ冷気を逃さないよう、冷蔵室にビニールカーテンをとりつけるのもおすすめです。
その他の節電対策

電力をたくさん使うエアコンと冷蔵庫の他にも、家の中にはさまざまな家電製品があります。ちょっとした工夫で節電効果が得られます。
1) 照明の節電対策
日中はできるだけ照明を消し、外の明るさを利用しましょう。使っていない部屋の電気はこまめに消す、蛍光灯をLED照明に替えるといったことでも、消費電力を抑えることができます。
2) テレビ・パソコンの節電対策
テレビやパソコンのモニターは、ついつけっぱなしにしてその場から離れてしまうことがあるものです。子どもにも、意識してこまめに消すことを伝えておきましょう。
また、省電力設定の機能がついている場合はなるべく設定しておくとよいでしょう。
3) 炊飯器の節電対策
炊飯器は炊くときと保温するときに電力がかかります。ご飯を炊くのは1日1回にまとめて冷蔵庫や冷凍庫に保存し、食べるときに温め直すという方法が節約になります。
4) 温水洗浄便座の節電対策
温水の設定をオフにしたり、タイマー節電の機能があればそれを利用したりします。夏は便座の保温機能を切っておいてもよいでしょう。細かい設定がない機種の場合は、コンセントからプラグを抜いておきます。
その他、使わない電気製品はこまめにコンセントから抜いておくことが大切です。
夏休みの自由研究で「節電」をテーマにしてみる
日中の13時~17時は、特に電力消費の多い時間帯といわれています。この時間帯に使う必要のない電気製品は、17時よりあとに使うなどの工夫をするのも一つの方法です。
また、夏休みの自由研究のテーマに「家庭の消費電力」を調べると、子どもの節電への意識が高まる可能性があります。
家族全員で楽しみながら、節電に取り組んでみてはいかがでしょうか。