2023年9月1日
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まだまだ続く暑さに要注意! 子どもを守る「熱中症対策」とは
近年の夏は最高気温が35℃以上の「猛暑日」が増え、8月が終わっても暑さが厳しく熱中症のリスクがあります。外出するときやスポーツをするときなど、子どもの熱中症が心配という保護者も多いことでしょう。熱中症の予防方法と、いざというときの対策についてご紹介します。
子どもは熱中症になりやすい その主な理由
熱中症は、気温や湿度の高いところにいることで体内の水分や塩分が失われ、体温調節がうまく働かなくなることで起こります。特に子どもは熱中症になりやすく、十分な注意が必要です。子どもが熱中症になりやすいのは、なぜなのでしょうか。
体温の調節機能が未熟
人の体は、体温が高くなると汗をかき、皮膚の上で汗の水分が蒸発することで体内の熱を発散するようにできています。
子どもはこの汗をかく機能が未発達なため、汗をかいて体温を下げるのにも時間がかかるのです。その結果、スムーズな体温調節ができず、熱中症にかかりやすくなります。
体の水分量が多い
大人に比べて子どもの体は水分量が多いです。大人の体内にある水分の割合は60%程度ですが、子どもの体の水分は70%にのぼるといわれています。体内の水分量が多いと、外気の熱を吸収しやすく、さらに、発散しにくいという状態になります。
そのため、体の中に熱がたまりやすく、熱中症のリスクが高くなるのです。
地面の照り返しを受けやすい
照り返しとは、日の光が当たり続けて地面が熱くなり、その熱が周囲に跳ね返る現象です。特にアスファルトの照り返しは強く、熱が子どもの体に当たって体温が上昇しやすくなります。
子どもは大人に比べて身長が低いため、地面からの照り返しの影響を強く受けやすいといえます。
子ども自身が症状に気づきにくい
子どもは「めまいがしている」「体がほてっている」といった症状が、熱中症によるものかどうかがわからなかったりその症状を言葉にできなかったりして、体調不良をうまく伝えられないものです。
また、遊びに夢中になっていると、自分で熱中症の症状に気づかないこともあります。大人のように、自分の体調不良を訴えることができないのも、子どもの熱中症リスクを高める一つの要因です。
熱中症予防のためにできることとは
子どもが熱中症にならないため、気をつけておきたいことについてご紹介します。
こまめに水分をとる
子どもの体は多くの水分を必要とするため、大人以上に水分補給に気を配らなければなりません。「のどが渇いた」というときには、すでに水分不足になっていることもあるため、のどが渇く前に水分をとることが大切です。
外出しているときは、20分に1回100~250mlほどの水分をとるのが目安といわれています。飲み物を常に持ち歩くようにして、いつでも水分補給できるようにしておくとよいでしょう。
食事をしっかりとる
栄養不足は熱中症の大きな要因となります。1日3回の食事をできるだけしっかりとるようにしましょう。
食欲がないときは、柔らかくて消化のよい食べ物ものなどで、栄養分を補うようにしましょう。
エネルギー補給にはうどんやそうめん、タンパク質補給には豆腐や茶わん蒸しなどが食べやすいといえます。また、野菜スープなども栄養のとりやすいメニューです。柑橘類や香辛料を使って味覚を刺激するなど、食欲を増進させる工夫をしてみてもよいでしょう。
睡眠不足を避ける
睡眠不足も熱中症のリスクを高めます。睡眠は、体温を調節する自律神経の働きを回復させる役割があるからです。
眠りにつく2時間ほど前にお風呂に入ると、良質な睡眠がとれるといわれています。夏はシャワーで済ませることもあるかもしれませんが、熱中症予防のためには浴槽にお湯を張って浸かるとよいでしょう。
通気性のよい衣服を着たり帽子をかぶったりする
暑い日には、綿や麻など通気性のよい生地の衣服や、速乾性にすぐれた衣服を着用するとよいでしょう。
また、外出の際には帽子をかぶって直射日光を防ぎましょう。直射日光は熱中症のリスクを高めるので、外で活動するときは通気性のよい長袖の衣服を着るのも効果的です。
外出はできるだけ早朝か夕方に
猛暑日の日中、長時間外にいることは避けた方がよいでしょう。外出は早朝か夕方など、比較的気温が下がる時間帯を選ぶようにしましょう。
また、外で遊ぶときには、子どもの様子をよく見ながら、こまめに休憩を入れるようにしましょう。
熱中症対策用のアイテムを利用してみる
水筒や帽子の他にも、熱中症対策のためのアイテムがいろいろと発売されています。いくつかご紹介しましょう。
ハンディ扇風機
手で持つことのできる「ハンディ扇風機」は、汗を蒸発させて体の熱を発散できる優れものです。
首からかけられるものもあり、手軽に持ち運べるのがよいところです。
冷感タオル
水で濡らすと冷たくなる「冷感タオル」もおすすめです。首に巻いたり肩にかけたりすることで、熱を放出させる効果があります。
ネッククーラー
筒状になったタオルに保冷剤を入れて首に巻いておけるのが「ネッククーラー」です。首には太い血管が通っているため、ここを冷やすと体にたまった熱を下げることができます。スーパーやドラッグストアなどで売られています。
熱中症になってしまったときの対処法
万一、子どもが熱中症になってしまったとき、どのように対処したらよいのでしょうか。
まずは、熱中症の症状について理解しておきましょう。
知っておきたい熱中症の症状
1) 軽度
顔が赤くなって大量の汗をかいている様子が見られたら、熱中症になりかけている可能性があります。イライラしたり機嫌が悪くなったりする子どももいます。
少しフラついていたり、筋肉痛や足がつるなどの症状を訴えたりしたら要注意です。
2) 中等度
頭が痛い、気持ちが悪いという症状が現れます。吐き気があり、実際に嘔吐してしまうこともあります。体がぐったりして動くのがつらくなります。
3) 重度
体温が上がり38℃以上の発熱が見られます。問いかけへの反応が鈍い、呼びかけに応じないなどの意識障害が現れます。体がけいれんしたり、ガクガクとひきつけを起こしたりしたらすぐに救急車を呼びましょう。
応急処置と救急車を呼ぶ目安
子どもに熱中症の症状が見られたら、衣服をゆるめて涼しい場所で休ませましょう。めまいや頭痛があるときは、頭を低くして寝かせます。スポーツドリンクなど、水分と塩分の両方を含んだイオン飲料を飲ませます。濡れタオルで体を拭く、うちわで風を送るなどして体にこもった熱を発散させます。
意識障害がある、けいれんやひきつけを起こしている、体温が40℃以上あるといったときは、すぐに救急車を呼んでください。
予防と対策を行っていても、熱中症には十分な注意が必要です。熱中症の対処法を知り、いざというときに落ち着いて対応できるようにしておくことが大切です。