2023年8月28日
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「不登校」にどう寄り添う? 保護者ができることとは
子どもが学校にいけなくなったとき、保護者はどのように寄り添ったらよいのでしょうか。子どもの気持ちを理解し、保護者ができることについて考えていきましょう。
子どもの今の状態を理解する
子どもが不登校になると、勉強が遅れてしまう、進学できないかもしれない、このままひきこもりになってしまうのでは……など、さまざまな不安が襲ってくるものです。
しかし、学校へ行くことができずに一番苦しんでいるのは子ども自身です。まずは、子どもの置かれている状況を冷静に考えてみましょう。
子どもが学校へ行けないとき
子どもが不登校になる理由は、多くの場合さまざまなことが複合的に絡み合っているものです。一つの原因を解決したから学校に行ける、という単純な問題ではないケースがほとんどです。
原因探しをするよりも、まず、今の子どもの気持ちを想像してみることが大切です。疲れ切っていて動けない心理状態のときに、言葉を尽くして学校の必要性を話しても子どもの心には響かないものです。
「保護者の思い」と「子どもの思い」
「学校へ行ってほしい」というのは、保護者の思いであり、子どもは学校に行かなければいけないと頭ではわかっていても、体や心が拒否をしている状態にいます。
「行かなければならない」「行かないと大変なことになる」という保護者の心配もよくわかりますが、保護者の思いばかりが先行していないか、ときどき立ち止まって考えることも大切です。
学校へ戻ることをゴールにしない
子どもが学校に苦しさを抱いて不登校になっている場合、苦しさの原因を解消できていないと、そのままの学校復帰は「苦しさの中に戻ること」と同じ意味になってしまいます。
苦しい気持ちで学校生活を送ることが、本当に子どものためになるのかを考え、学校へ戻ることをゴールにするのはやめましょう。
子どもが動き出すようになるさまざまなきっかけ
通っていた学校へ戻ることが最終目標ではないことを踏まえたうえで、子どもが動きだすきっかけを見ていきましょう。
子どもが家にいることを認める
多くの子どもは、学校に行かず家にいるという今の状況がよいとは思っていないため、強い不安感を抱えているものです。
不安なところに、保護者から「明日は学校へ行こう」「どうして動こうとしないのか」などと声をかけられると、それがプレッシャーとなりますます気持ちが落ち込んでしまいます。
子どもにプレッシャーをかけず、家で過ごすことを認めると、子どもは家が安全な場所だと感じて気持ちが安定しやすいといわれています。その安心感が、次の一歩を踏み出すエネルギーの源となります。
家族以外の人との出会い
養護教諭やスクールカウンセラー、フリースクールや適応指導教室の先生など、不登校について理解のある大人が、子どもの元気を引き出してくれることもあります。
友達とのやり取り
不登校になっても友達とは遊べる、塾や習い事など学校以外の友達とは会えるというケースもあります。友達と遊んだり話したりしていると、気持ちがほぐれて楽しくなり、元気が出てくるものです。
好きなことに没頭する
不登校になる子は感受性の強い子が多く、芸術系のセンスが高い子どももいます。好きなイラストを描いていた、お話を書いてネットに投稿した、ピアノの練習に集中したなど、何かに一心に取り組んだり、それを評価されたりしたことがきっかけで自分に自信がつき、活動する元気が湧いてくることもあります。
好きなアイドルや有名人に刺激を受ける
家にいるとYouTubeやテレビを見る機会も増えやすくなりますが、その中でアイドルやユーチューバーなどの有名人を好きになることもあります。アイドルのイベントに行きたいと言い出し、それをきっかけに外出できるようになることもあります。
また、「あの人ががんばっているんだから、自分もがんばらなければ」と、刺激を受けて元気が出てくる子どももいます。
保護者ができること
子どもが元気を取り戻すために、保護者の対応として避けた方がよいこと・できることをご紹介します。
避けた方がよいこと
問い詰める
保護者が「どうして学校に行かないの」「何が気に入らないの」「このままでいいと思っているの」……などと問い詰めてしまうことは避けましょう。
子どもは学校へ行かないことに後ろめたさを感じていて、保護者に怒られるのではないかと気持ちが敏感になっているものです。そのため、ちょっとした言葉でも「責められている」と受け取ってしまいがちです。
保護者に問い詰められることで子どものエネルギーは奪われていき、やがて保護者の顔を見るだけで元気がなくなってしまうこともあるため、注意が必要です。
焦る・期待し過ぎる
心配な気持ちはわかりますが、早く学校に通えるようになってほしいと焦るのはよくありません。また、今日行けたから明日も明後日も登校してほしい、別室登校ができたから次は教室へ……と、期待をエスカレートさせていくと、子どもはプレッシャーを感じます。焦らず、期待し過ぎず、見守る姿勢が大切です。
保護者ができること
子どもが安心して過ごせる環境を整える
保護者は、子どものありのままを受け入れ、安心して過ごせる環境を整えることが大切です。家にいることを当たり前のこととして受け入れ、学校へ通っていたときと同じように接しましょう。
保護者自身の生活も大切にする
子どもが心配で、今まで楽しめていたことが楽しめなくなったり、保護者が「自分の育て方が悪かった」などと落ち込んでいたりすると、子どもは「自分のせいだ」と余計に落ち込んでしまいます。
また、子どものことばかり考えて生活していると、子どもにとっても負担となります。保護者自身の生活を大切にすることも意識しましょう。
情報を集めておく
学校に戻ることだけではなく、子どもの性格や特性に合ったフリースクールや適応指導教室へ行くことも視野に入れておきましょう。
子どもに動き出す元気が出てきたら「学校以外にもこういうところがあるよ」と提案できるように、情報を集めておくことも大切です。
また、地域の親の会や教育相談などの情報も集めておくとよいでしょう。
不登校になると学習の遅れも心配の一つです。そのようなときには、おうちで学べる学研教室オンラインをぜひご活用ください。