2023年9月19日
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子どもの才能を伸ばす「英才教育」 メリットとデメリットを踏まえたうえで保護者にできること
天才キッズの紹介やアスリートの子どものころの話などを見聞きして、わが子にも英才教育をしたいと考える保護者もいることでしょう。子どもたちの才能や個性を育てる英才教育とはどのようなものなのか、そのメリットとデメリットも含めてご紹介します。
幼少期から才能や個性を伸ばすために行われる「英才教育」
まずは、英才教育とはどういうものなのか、ご説明します。
英才教育とは
英才教育とは、子どもの得意なことや才能を見出して、早い時期から専門の教育を施すことです。一つのことに特化した技術を身につけさせたり、個性を最大限伸ばしたりするのが英才教育の大きな目的です。
運動系・芸術系・学習系など、身につけさせたい能力によって、さまざまな英才教育があります。
シュタイナー教育・モンテッソーリ教育などの幼児教育
哲学者のシュタイナーが始めた「シュタイナー教育(※1)」や、医学博士のモンテッソーリが始めた「モンテッソーリ教育(※2)」など、子どもの個性や興味を中心にして行われる幼児教育も、英才教育としてとらえられることがあります。
※1日本シュタイナー学校協会
https://waldorf.jp/
※2日本モンテッソーリ教育綜合研究所
https://sainou.or.jp/montessori/index.html
ギフテッド教育
近年日本でも関心が寄せられつつある「ギフテッド」とは、特定の分野で高い能力を持っている子どもたちのことを指します。
ギフテッドのために行われる教育も、英才教育の一つと考えられます。ギフテッドは能力が高過ぎることが原因で学校など周囲の環境になじめないケースもあり、子どもが安心して才能を伸ばせるような教育環境が必要と考えられています。
早期教育と英才教育の違い
突出した才能の有無にかかわらず、一般的な時期よりも早く子どもに教育を受けさせることを早期教育といいます。
一方、英才教育は見出された才能を最大限に生かすために行われる教育のことを指します。本来の英才教育では子どもの才能を伸ばすことを重視しますが、早期教育と英才教育は同じ意味で使われることも多い傾向にあります。
英才教育のメリットとデメリット
子どもの才能を伸ばすうえで効果的な英才教育にも、メリットとデメリットがあります。その両面を知っておくことも大切です。
英才教育のメリット
自然な流れで子どもの才能が伸ばせる
脳が発達していく幼少期から英才教育を行うことで、子どもは自然に多くのことを吸収していけるでしょう。
遊び感覚で取り組んだり、直感的な感覚を大切にして能力を伸ばしたりできるのが、英才教育のよいところといえます。
知識や技術が身につく
得意なことにくり返し取り組むことで、専門の知識や技術が身につきます。英才教育を受けて身についた知識や技術は、その道を生きていくうえで大きな財産となります。
集中力やがんばる力が身につく
一つのことに取り組み続けることは、集中力やがんばる力をはぐくみます。その力は、英才教育で培われる自分の得意分野だけではなく、他の場面でも生かすことができるでしょう。
達成感を得て自分に自信がつく
興味のあることや得意なことをがんばり、結果を得ることは子どもの心に大きな影響をもたらします。大会で優勝した、コンクールで受賞したなどの経験は、大きな達成感が得られるとともに子どもの自信にもつながります。
自己肯定感が高まり、何事にも積極的に取り組むことができるようになるでしょう。
学ぶ習慣が身につく
日々英才教育を受けていると、学ぶことが習慣になっていきます。学ぶことが習慣化して、知識が深まり技術が高まることを実感すると、より努力していこうという姿勢が出てくるものです。
英才教育のデメリット
主体性が育たなくなることがある
英才教育は、保護者が主体となって行われるケースが多いものです。いくら才能があっても、子ども自身にがんばろうという気持ちがないとなかなかうまくいかないでしょう。
保護者から指示されるからやっているだけ、という状態になると、子どもの主体性が育たなくなる可能性があります。
子どもが自由に過ごす時間が奪われる
特定の分野だけに時間を割くことは、子どもの自由な時間を奪ってしまうことにもつながります。
子どもは自由に遊ぶ時間にさまざまな刺激を受け、健やかに成長していきます。英才教育に多くの時間がとられると、幅広い経験ができなくなる可能性があるため、ほどよいバランスが必要といえるでしょう。
知識や物事の見方に偏りが生じる
子どもが成長していくうえでは、たくさんの経験をさせることが大切です。特定分野の世界だけで過ごしていること、知識や物事の見方に偏りが生じる場合があります。
優越感が差別意識に変わることがある
子どもの才能が十分に発揮され、自信を持つのはよいことですが、認識を誤ると他の子どもたちを見下すような気持ちが生じることもあります。
子どもが他者を差別するような意識を持たないよう、気をつける必要があるでしょう。
保護者に負担がかかる
英才教育は幼少期から始めることが多いため、教室に行くための送り迎えなど、保護者にも負担がかかります。習い事にかかる月謝や交通費、遠征費、ユニフォーム代や衣装代などの費用負担も考える必要があります。
英才教育を行う際に、保護者が気をつけておきたいこと
英才教育のメリットとデメリットを踏まえたうえで、保護者が気をつけておくとよいことについてまとめます。
子どもに期待をかけ過ぎないようにする
子どもの才能に気づき、その才能を伸ばしたいと考える保護者の気持ちもわかりますが、過度な期待をするのはよくありません。期待をかけ過ぎると、子どもはその期待に応えなければならないと考えてしまいます。保護者の期待に応えられなかったとき、自信を失ってしまう可能性もあります。
過度なプレッシャーを与えない
大人から見ると「もっとがんばれる」「努力が足りない」と感じることもあるでしょう。ただ、大人の感覚と子どもの感覚は大きく異なります。体力的にも精神的にも、子どもにとっては限界ということもあるものです。
過度にプレッシャーをかけると、もともと得意だったことが嫌になってしまうこともあり、注意が必要です。
子どもの気持ちやペースを大切にする
得意なことでも、順調に進むときとうまく進まないときがあるものです。また、子どもの気持ちは変わりやすく、ときにはやる気が出なくなることもあるでしょう。子どもの状態を考慮せず、常に同じペースで取り組むことを強要すると、子どもにとってはストレスになってしまいます。
子どもの気持ちやペースを尊重することも大切です。
子どもの才能を伸ばすためには、子ども自身が主体的に取り組む姿勢が必要です。英才教育を施してとにかくトップを目指さなければと考えず、子どもがのびのびと得意なことに取り組める環境作りを心がけることが大切です。
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