2023年10月17日
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小学生の友達トラブル 子どもからのサインを見逃さず適切に対処するには
子どもが成長していくうえで、友達との関係作りは欠かせないものといえます。ただ、成長中の子ども同士でトラブルが生じてしまうこともあるでしょう。友達同士のトラブルが起きたときには、どのように対処したらよいのでしょうか。保護者のできるサポートについてもご紹介します。
けんかや仲間外れなど、小学校で起こりやすい友達トラブル
成長過程の子どもたちは、まだまだ物事を俯瞰的にとらえたり、自分の感情をコントロールしたりすることが苦手なため、大人よりも多くトラブルを起こしてしまいます。
友達との間で起こりやすいトラブルについて、見ていきましょう。
言い争いやけんか
いいか悪いかは別にして、子どもは思ったことをそのまま口に出してしまう傾向にあります。深く考えずに言ったことが相手を怒らせてしまい、言い争いになることはよくあります。言い争いがエスカレートして手や足が出ると、お互いにけがをしてしまうようなけんかに発展することもあります。
意地悪をされる
持ち物を隠されたり、失敗をからかわれたりと、意地悪をされてしまうこともあります。反対に、友達に意地悪をしてしまうケースもあるでしょう。
仲間外れ・いじめ
大勢で特定の子どもをグループから除外する仲間外れも、残念ながら起こりやすいといえます。性格が合わない、ちょっとした誤解から悪いうわさが広がる、グループ内の力関係、差別、嫉妬、競争心などが原因となることが多いようです。
一時的な仲間外れが、やがていじめにつながるケースもあります。
友達トラブルがあるとき、子どもが見せるサインとは
子どもが友達とのトラブルを抱えていたら、保護者はいち早く気づいてフォローしたいものです。友達同士のトラブルを抱えているときに見られることの多い子どもの様子をまとめます。
友達の話をしなくなる
普段の会話の中で、今までのように友達の話をしなくなります。仲のよかった友達ともめてしまったときには、急にその子の名前だけ避けて話をするようになることもあります。
友達と遊ばなくなる
これまでは学校から帰ってきたらすぐに友達と遊びに行っていたのが、トラブルが起こると遊びに行かなくなる傾向があります。「遊びに行かないの?」と声をかけても生返事をして出かけようとしません。
元気がなくなる
口数が少なくなったりため息をついたりする様子が見られます。家族が楽しく話していても輪の中に入ろうとしない、すぐに自分の部屋へ入ってしまうといった行動が見られます。
イライラした様子を見せる
「宿題やったの?」など保護者の何気ない問いかけに、イライラした反応を見せるようになります。普段は怒らないようなことで不機嫌になっているときには、友達関係のストレスをためている可能性があります。
ぼんやりしている
ぼんやりと考え事をしていて、話しかけても気づかないことがあります。友達とのトラブルで悩み事を抱え、そのことばかり考えてしまうと、保護者の声が耳に入らないのです。
夜、なかなか眠れない
布団に入ってもなかなか眠りにつけなかったり、夜中に何度も目を覚ましてしまったりすることもあります。
お腹が痛い、頭が痛いなど体調不良を訴える
悩みが体の症状になって表れることもあります。お腹が痛い、頭が痛いなどの体調不良が続き、病院へ行っても症状が治まらないようなときは、何か悩み事を抱えているのかもしれません。
「学校へ行きたくない」と言う
友達とけんかをしたり、意地悪をされたりすると学校へ通うのが嫌になり「行きたくない」と言うこともあります。いじめに遭っているときなどは、保護者にも打ち明けづらいため、慎重に対応する必要があります。
トラブルが起きたとき、保護者はどのように対応したらよい?
子どもが友達同士のトラブルを抱えている様子が見られたら、保護者はどのように対応すればよいのでしょうか。
子どもの話をよく聞く
まずは、子どもの話をよく聞くことから始めます。いきなり「何かあったの?」と切り出すと、反射的に「何でもない」と答えてしまう子どももいます。
「普段と様子が違うから心配」「あなたの味方だから」という気持ちを伝え、子どもから話をしてくれるのを待ちましょう。
学校から帰ってきてすぐには話す気になれなかったけれど、お風呂に入ってリラックスしたら話をする気になってきた、ということもあります。焦らず子どもの様子をよく見ながら、タイミングをはかって声をかけるようにしましょう。
子どもの話を否定したりさえぎったりしない
子どもから話を聞いている途中で気になるところがあっても「でもね」「そうではなくて」など、否定するのは避けましょう。また、話をさえぎって「それはこういうことね」などと先回りするのもよくありません。
子どもは自分の話を受け入れてもらえないと感じ、「話しても仕方がない」という気持ちになってしまいます。
話を否定したりさえぎったりすることなく、まずは、最後までじっくり子どもの話を聞きましょう。
状況を分析する
子どもが話をしてくれたら、冷静に状況を分析することも大切です。子どもはトラブルの渦中にいるため、状況をうまく把握できていないこともあります。客観的な視点で、トラブルの原因やその後の経過を分析し、状況を整理しましょう。
子どもと一緒に対応策を考える
トラブルの内容によって、子ども同士で解決する、学校の先生に相談するなど、対応が異なります。
子ども同士で解決させるなら、言葉遣いや話し方によって、うまく相手へ気持ちを伝える方法などをアドバイスすることができるでしょう。
また、こちらが加害者側だった場合は、速やかに謝罪する必要があります。
学校の先生に相談する場合は、連絡帳に書くか、保護者が電話で話すか、時間を取ってもらい直接会って話すかなど、さまざまなパターンが考えられます。
内容にもよりますが、基本的には子どもを交えて適切な対応策を考えましょう。
感情的にならないようにする
子どもから話を聞いて、「許せない」という気持ちが強くなることがあるかもしれません。ただ、友達同士のトラブルには、それぞれの立場からしかわからない理由があるものです。感情的にならず、冷静に状況を把握する姿勢が大切です。
一方的に叱らない
話を聞いていて、わが子の方が悪いのではないかと感じることもあるかもしれません。ただ、子どもは自分の気持ちをわかってほしいという気持ちで、保護者に話をしています。一方的に叱られると保護者に拒絶されたと感じ、傷ついてしまうこともあります。まずは、「そう思ったんだね」と、子どもの気持ちを受け入れるようにするとよいでしょう。
大人の理屈を押しつけない
大人の世界では、「その場合はこうしておいた方がよい」というようなことがあるものです。たとえば、特に責任はないものの、謝っておけばその場が丸く収まるというような状況などがあるでしょう。
しかし、子どもにとって、それはどうしても譲れないものなのかもしれません。大人の理屈を押しつけて、子どもを誘導するのは避けましょう。
担任の先生に相談する
学校に間に入ってもらったり、クラス全体で対応してもらったりした方がよいと判断したトラブルの場合は、担任の先生に相談してみましょう。
担任の先生が子どものトラブルを把握しているときは、より状況を詳しく知ることができるはずです。
また、子どものトラブルに保護者が介入する場合は、保護者同士で直接やり取りをするのではなく、学校に間に入ってもらうのが基本です。
トラブルを起こさないようにするためには、事前に相手の立場になって考えたり、思いやりを持って行動したりすることが大切です。
また、トラブルが起きてしまっても冷静に判断して、今後同じようなトラブルを起こさないためにどうしたらよいのか、子どもと一緒に考えることが重要です。