2023年11月1日
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「反転学習」ってどんな学習スタイルなの? メリットやデメリットも含めてご紹介します
近年、オンラインを活用した学習形態が増える中、新しい取り組みとして注目されているのがオンラインの「反転学習」です。従来の「学校で授業を受け、自宅で復習する」という方法とは逆のスタイルをとる反転学習。その内容とメリット・デメリットについて解説します。
自宅学習で知識を取り入れ、対面授業で知識を定着させる「反転学習」
まずは、反転学習について、その概要を説明していきましょう。
反転学習とは
日本の小学校では、授業で新しい知識を学び、宿題などの自宅学習でその復習をするというスタイルが一般的です。
一方、反転学習とは、自宅学習であらかじめ知識を習得し、授業では学習してきたことを活用してディスカッションをしたり、発表をしたりする学習のことを指します。
反転学習はアメリカで始まり、インターネットの発展とともに日本でも取り入れられるようになってきました。
反転学習が注目されている理由
学習内容を定着させていくうえでは、知識を覚えることに加えて、それを活用することも必要です。つまり、インプットだけではなくアウトプットを重ねていくことで、より知識は確実なものになっていくのです。
従来型の学習では、授業によるインプットの割合が多く、アウトプットの割合が少ない傾向にありました。反転学習は、ディスカッションや発表といったアウトプットの時間が長くとれるため、より学習効果が高いと考えられ、近年教育現場で注目されるようになってきたのです。
オンライン学習の環境が整ってきた
反転学習では、事前に学習をしてから対面の授業に臨みます。これまでは教科書や参考書を読む反転学習が主流で、人によってはハードルが高かったり小さい子には難しかったりしたのが、映像で学習できるオンライン学習の登場で取り組みやすくなりました。インターネットが普及して、オンラインを活用した学習がスムーズに行われるようになってきたことも、反転学習への注目が集まっている一つの理由と考えられます。
反転学習のメリットとデメリット
反転学習の特徴についてわかったところで、そのメリットとデメリットを見ていきましょう。
反転学習のメリット
効率よく学習ができる
反転学習に使われる映像教材や動画授業はくり返し見ることができるため、わからないところを何度も見て確認することができます。また、対面授業では先生の話を聞きながらノートをとるのが間に合わないこともありますが、映像教材なら一時停止をして、落ち着いてノートをとることもできます。
内容をある程度理解したうえで対面授業を受けると、より効率よく学習を進めていくことができるでしょう。
学習への積極性が高まる
従来の一斉授業の場合、先生の説明を聞いている時間が長く、学習への姿勢が受け身になりがちです。しかし、反転学習では学んだことを対面授業で活用する必要があるため、学習への積極性がより高まります。
自分の考えをまとめる力や表現力が高まる
反転学習では、事前に学んだ知識を活用し、対面学習でアウトプットすることが求められます。
グループで話し合いや発表をする中で、自分の考えをまとめ、周囲の人に伝わるような話し方で表現する力が身についていきます。
反転学習のデメリット
家庭でのサポートが必要になる
反転学習を進めるには、まず子ども自身が自宅学習に取り組む必要があります。子どもに学習する意欲がないと、その後の対面学習もうまくいかなくなってしまいます。
特に、小学校低学年の場合、勉強の仕方がまだよくわかっていないケースも多く、学習を促したり、わからないところを見てあげたりと、保護者がサポートしなければならないこともあるものです。保護者の負担が多くなってしまうのは、反転学習のデメリットといえます。
端末機器の準備や通信環境の整備が必要
反転学習のために、インターネットの環境を整えることも大切です。タブレットやパソコンなどの端末機器を揃えること、通信環境を整備することなどは、各家庭で行う必要があるでしょう。
自宅学習の時間を確保するのが難しいことがある
反転学習は、自宅での事前学習と対面学習がセットになっている学習スタイルです。事前学習をしていることが前提ですが、中には習い事や保護者の帰宅時間が遅いなど、自宅学習の時間を確保するのが難しく、かえって授業についていけなくなってしまう可能性もあります。
予習する習慣をつけ、反転学習に対応できるようにしておくことが大切
反転学習は、企業の研修や大学の授業などで導入されるようになり、徐々に教育現場にも広がりつつあります。
佐賀県の武雄市では、2014年から市内の全小学校で反転学習が導入されています。小学3~6年生の算数と小学4~6年生の理科で取り入れられ、少しずつ学習効果が出始めているといいます。
また、東京都の私立・宝仙学園小学校では、小学3・4年生の夏期補習で反転授業を行っています。予習動画を5分程度にスリム化したことで予習の実施率を100%にしたそうです。
さまざまな効果のある反転学習は、今後より広がりを見せる可能性があります。通っている学校で反転学習が始まったときにうまく対応できるよう、日頃から予習をする習慣を身につけておくとよいでしょう。
学研教室では、小学校低学年のお子さんにもしっかり学習習慣が身につくよう、丁寧な学習指導を行っています。学習塾をお考えの際には、学研教室をぜひご活用ください。