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2024年3月17日

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宇宙の不思議「月の誕生」とは? 代表的な4つの説をわかりやすく解説します

月は、地球に住む私たちにとって最も身近な天体であり、地球にさまざまな影響を与えている存在でもあります。しかし、月がどのようにして生まれたのかは、まだ完全に解明されていません。さまざまな説を取り上げながら、月の誕生について考えていきましょう。

地球の周囲を回る月は、地球の気候に大きな影響を与える

地球の周囲を回る月は、地球の気候に大きな影響を与える

まずは、月がどのような天体なのかご紹介します。

月の特徴とは

月の直径は約3,476キロメートルで、大きさは地球の1/4程度になります。地球よりも質量がずっと少なく、重力は地球の6分の1程度です。月に着陸した宇宙飛行士が、ふわふわと月面を歩いているのを見たことがある方もいるのではないでしょうか。

月は、地球の周りを1ヵ月ほどかけて回る衛星で、太陽の光を受けて夜空に輝いています。太陽と地球の位置関係によって、地球からは満月、三日月、新月とその姿を変えて見えます。

月が地球に与える影響

月は、地球にさまざまな影響を与えています。一つ一つ見ていきましょう。

潮の満ち引きを起こす

月の引力は、海の満潮・干潮を引き起こします。潮の満ち引きによって海水が大きく動くことが、生物の誕生や進化に影響を与えます。月は、地球上の生命の進化に深く関わっているのです。

地球の自転速度を抑制する

月の引力は、地球の自転速度を抑える役割もしています。月の引力がないと、1日約24時間で自転している地球は、1日8時間程度で回ってしまうといわれています。その速度で回転すると、強風が吹き荒れて大気が乱れ、地球は現在のような生物が住めない星になります。

地球の地軸を安定させる

地球は黄道(地球から見たときの太陽の軌道)から、地軸が23度傾いています。この地軸の傾きを安定させているのも月の引力です。月がないと地軸の傾きが不安定になり、自転のバランスが乱れてしまいます。自転のバランスが乱れると、地球の気候に大きな変動が起こり、地球上の生物が暮らせなくなる可能性があります。

月の誕生に関わる「分裂説」「捕獲説」「双子説」「巨大衝突説」

月の誕生に関わる「分裂説」「捕獲説」「双子説」「巨大衝突説」

地球と深い関係にある月の誕生には、代表的な4つの説があります。

分裂説

地球がものすごいスピードで回転し、その一部が宇宙に飛んでいって月ができたというのが分裂説です。分裂説は、「種の起源」の執筆で有名なチャールズ・ダーウィンの息子、ジョージ・ダーウィンが1879年に唱えました。
ただ、月が地球から分裂するには、相当な速さの回転速度が必要です。地球の自転速度はそれほど速くないため、現在分裂説は有力な説ではなくなっています。

捕獲説

捕獲説は、月と地球は太陽系の中の別々の場所で生まれ、たまたま月が地球のそばを通ったときに地球の引力が月を引きつけて捕獲し、現在の地球と月の関係になったという考え方です。
ただ、この考え方にも疑問があるとされています。地球と月がまったく関係のない場所で生まれた場合、それぞれを構成する物質は異なるはずです。しかし、月から持ち帰った石には、地球にある物質の構造とよく似ている特徴が見られるそうです。
また、月ほどの大きさを持つ天体を、地球の引力で捕獲するのはかなりの無理があり、今は捕獲説もあまり有力ではないといわれています。

双子説

地球と月は似たような物質で構成されていることから、双子のように同時に誕生したのではないか、というのが双子説です。この説では、地球と月の類似点を説明することができます。
ただ、地球が成長していくとその過程で徐々に引力が強くなるため、地球に落下しないよう月が自らの引力を微調整する必要が出てきます。地球と同じように成長過程の月に、そのような微調整をする力があるとは考えられないため、この説も有力とはいえなくなっています。

巨大衝突説(ジャイアントインパクト説)

現在、最も有力なのが、1970年代に提唱された巨大衝突説です。地球が生まれた直後に火星ほどの質量を持つ大きな天体が衝突し、飛び散った破片が集まって月ができたという説です。
巨大衝突説はジャイアントインパクト説とも呼ばれ、分裂説、捕獲説、双子説の矛盾点を回避することのできる説として、科学界で注目され定説となりました。
巨大衝突説の誕生には、アメリカのアポロ計画で月面着陸に成功し、月の誕生についての解明が進んだことが関わっています。

謎に包まれた月の誕生 議論はまだまだ続く

アポロ探査機で持ち帰った月の岩石はさまざまに分析され、月の特徴がいくつかわかってきました。

アポロ探査機の調査でわかった月の特徴

・月と地球の酸素さんそ同位体どういたい(物質の成り立ちを調べる手がかりになるもの)のしくみがよく似ている。
・地球と月のマントル(天体の内部の層)の性質が非常に似ている。
・月には地球のような大きな「核」がない。
・大昔にはマグマの海があった。

このような、月の特徴を満たして説明できるのが巨大衝突説なのです。

巨大衝突説にも疑問が残る

ところが、近年「巨大衝突説にも矛盾があるのではないか」といわれるようになってきたのです。
コンピュータ上で、大きな天体と地球との衝突を再現してみたところ、衝突で飛び散る物質が、地球のものより大きな天体のものの方が多いことがわかったのです。これでは、「地球と月のマントルの性質が非常に似ている」という条件に合わなくなってしまいます。
また、地球に巨大な天体がぶつかったあとが見られないなど、いくつかの疑問も残っているそうです。

将来は月に住めるかもしれないといわれるほど、私たちにとって身近な存在の月ですが、その誕生にはまだまだ謎が残ります。さらに詳しく知りたいときには、学研の図鑑や本で調べてみてはいかがでしょうか。学研教室の会員になると、学研教室ライブラリーという電子書籍で自由に電子図鑑を見ることができます。お子さまの探求心をぐんぐんはぐくむ学研教室をぜひご活用ください。

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