2024年5月13日
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小学生の「思いやり」をはぐくむには? 子どもの成長を促すために家庭で心がけたいこと
思いやりの心は、人間関係を築くうえでとても重要なものです。子どもに思いやりを持って行動してほしいと願うのは、保護者として当然のことといえるでしょう。思いやりの心をはぐくんでいくために、心がけておきたいことについてご紹介します。
思いやりの心を持つために、わかっているとよいこと
思いやりの心を持つには、どのようなことがわかっているとよいのでしょうか。
相手の気持ちを想像する
思いやりの心は、相手の気持ちを想像してみるところから始まります。幼いうちは、自分以外の人の気持ちを想像することはなかなか難しいものですが、成長するにつれて徐々に相手の気持ちを考えられるようになっていきます。
友達が悲しそうな顔をしていたら「何かつらいことがあったのかな」と想像できるようになり、やがて、優しい言葉をかけるといった思いやりのある行動が見られるようになります。
相手が自分と違う感情を持つことを知る
幼いうちは、自分と相手は同じ気持ちでいると感じてしまいがちです。自分が楽しければ相手も楽しい、自分がつまらなければ相手もつまらないだろうと感じやすいのです。しかし、同じ出来事でも感じ方は人それぞれです。相手と自分は異なる感情を持つということがわかってくると、思いやりの心が生まれてきます。
複雑な感情があることを理解する
人にはさまざまな感情があります。楽しさ、うれしさ、悲しさ、つらさ、怒りといった感情には、一面的ではない複雑な気持ちも含まれます。たとえば、「運動会は楽しみだけど失敗しそうで恐い」「ほめてもらえてうれしいけれど、うまくできなかったところがあって本当はくやしい」などといったこともあるものです。
人にはそのような複雑な感情があることも、理解する必要があるでしょう。
思いやりの心があると、人から信頼され人間関係が良好になる
思いやりの心は、人間関係を築いていくうえでよい影響を与えてくれます。
人から信頼されるようになる
思いやりを持って行動すると、自然と相手の嫌がることをしなくなります。そのため、人から好感を持たれやすくなり、信頼されるようになるでしょう。
また、多くの人は自分の思っていることに共感してもらえるとうれしくなるものです。肯定的に受けて入れてもらえることが、その人への信頼感へとつながります。
コミュニケーションがスムーズになる
人間関係を築いていくには、相手の気持ちを尊重することが大切です。集団の中で自分の気持ちを優先していると、わがままな人だと思われてしまうでしょう。思いやりの心があれば、それぞれの気持ちや意見を想像することができるようになり、コミュニケーションがスムーズに進むようになります。
自分の気持ちを押しつけない人は一緒にいて居心地がよいため友達も多い傾向にあり、結果的に人間関係にも恵まれやすいとされています。
人が困っているときに助けることができる
友達が困っているとき、「どうしたの?」「何かできることはある?」と、声をかけてあげられるのが、思いやりのある子どもの特徴です。一人で困っているときに声をかけてもらえると心強くなり、声をかけてくれた人への信頼感が高まります。
日ごろから人助けをしていると、自分が困ったときに周囲に助けてもらえる可能性も高まるでしょう。
感謝してもらうことで自己肯定感が高まる
困っている人の手助けをすることで、人に感謝される機会が多くなります。人の役に立てていることを感じることができ、子ども自身の自己肯定感がアップしていくでしょう。
思いやりの心をはぐくむために、保護者ができることとは
思いやりの心をはぐくんでいくうえで、保護者ができることについてまとめます。
他者の気持ちを想像するよう促す
友達と意見が合わなかったときやけんかをしてしまったときなどに、相手の気持ちを想像するような声かけをしてみるとよいでしょう。
「相手はどんな気持ちだったんだろうね」「どうしてそんなことを言ったんだろう?」と、問いかけ、子ども自身に相手の気持ちを想像してもらうように促します。けんかをした直後は避け、子どもの気持ちが落ち着いてから冷静に話をするのがポイントです。
気持ちを言葉にしてみる
子どもがうれしそうにしているときや泣いているときなどに、その感情を言葉にするのも有効です。「これがあったからうれしいんだね」「つらくて泣いちゃったんだね」と的確に言語化することで、子どもはさまざまな感情があることを理解していきます。
物語の登場人物の気持ちを話し合う
相手の気持ちを想像するうえで、本を読んだり映画を見たりするのもおすすめです。登場人物がどのような気持ちだったのか、子どもと一緒に話し合ってみます。
小学校入学前であれば、読み聞かせやごっこ遊びの中で、いろいろな気持ちを想像してみるとよいでしょう。
子どもの気持ちに共感する
子ども自身が「共感してもらえた」という経験を積むことで、思いやりの心ははぐくまれていきます。日常の中で、「楽しかったんだね」「それは怒ってしまうよね」などと、共感を示す言葉がけを意識することも大切です。
保護者がお手本になる
言葉で「思いやりを持ちなさい」と言っても、街中で困っている人がいたときに見て見ぬふりをするといった姿を見せていると、子どもに思いやりの気持ちははぐくまれにくいものです。保護者自身が、日ごろから子どものお手本になるような行動を心がけることも大切です。
思いやりの心を持つことが、大人になってからの幸せにもつながる
思いやりの心を持てるようになると、人間関係が広がり、さらに、人から信頼される大人へと成長していきます。日々の積み重ねが、子どもの幸せな人生につながっていくでしょう。
学研教室では、登場人物の気持ちを想像してみるといった学習や、異学齢集団の中で学ぶことで、思いやりの心をはぐくむお手伝いをしています。思いやりの心をはぐくむ一助として、学研教室をぜひご活用ください。