2024年5月21日
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月の形が変わるのはなぜ? 月の満ち欠けのメカニズムを解説します
満月やスーパームーンと呼ばれる大きな月が見えるとき、子どもと一緒に夜空を見上げたことのある方も多いのではないでしょうか。月の形は常に変化して、満ち欠けと呼ばれる現象を起こします。今回は、月の形が変化する理由について解説していきます。
月そのものの形が変わるのではなく、見え方が変わる「月の満ち欠け」
月は日々形を変えている
ふと夜空を見上げたとき、満月や三日月に気づくことはありますが、月の形が日々変化していることにはあまり気づかないかもしれません。しかし、月はおよそ1ヵ月かけてその形を変えています。毎日月の観察記録をつけると、少しずつ形が変わっていくことがわかるでしょう。
月の形が変わるのは見え方が変わるから
「月の形が変わる」といいましたが、もちろん月の形そのものが変化しているわけではありません。月は本来満月のときに見られるような丸い形をしています。そのため、形が変わるというより光の当たり方によって見え方が変わるといった方が正確です。よく観察すると、三日月のときも薄く丸い月の形が見えるはずです。
月の形が変わるのは、太陽・地球・月の位置関係による
なぜ、月の形が変化するのか、そのメカニズムについて解説していきましょう。
月は太陽の光を反射して輝いている
月はそれ自身が光っているわけではなく、太陽の光を浴びて光っています。光を浴びている部分は明るく見えますが、浴びていない部分は暗くなっているため見えにくいのです。
光を浴びている部分は昼、浴びていない部分は夜ということもできます。地球に昼と夜があるのと同様に、月にも昼と夜があるわけです。つまり月の満ち欠けは、「地球から月の昼の部分と夜の部分が見えている」と説明することもできます。月の昼の部分がすべて見えているときが満月、昼の部分が少ししか見えていないときが三日月になります。
太陽は恒星、地球は惑星、月は衛星
太陽系の中で、天体自身が光を放っているのは太陽だけです。自ら光り輝く星を「恒星」といいます。地球はこの太陽の周りを一定周期で回る「惑星」です。さらに、惑星の地球の周囲を回っているのが月です。月のように惑星の周りを回る天体は「衛星」と呼ばれています。
月は、地球の周りを回りながら、それと一緒に太陽の周りも回っているわけです。
惑星の地球も衛星の月も、恒星である太陽の光を受けています。地球から見て月が光り輝いているのは、太陽の光のおかげといえます。
太陽と月の位置関係によって形が変わって見える
月の形が変わって見えるのは、太陽・地球・月の位置関係が変わるためです。
月は、約1ヵ月かけて地球の周りを1周します。その間、太陽と地球の間に月が位置することもあれば、太陽と月の間に地球が位置することもあります。
太陽と地球の間に月があるとき、地球からは月の夜の部分(暗い面)しか見えません。このときが新月です。反対に、太陽と月の間に地球があるときは、地球からは月の昼の部分(明るい面)がすべて見えます。このときが満月です。
新月の日から月が少し移動すると少しだけ昼の部分が見えます。このときが三日月です。同様に月が移動して、地球の上90度の位置にきたときが半月(上弦)、地球の下90度の位置に来たときも半月(下弦)となります。
新月、上弦の月、満月、下弦の月
新月を0日としたときの、月の見え方をまとめておきましょう。
・新月(0日) : 光っている部分がほとんどないため、見るのは難しいでしょう。
・三日月(2~3日前後) : 月が細く光ります。日が沈むころの西の空で見えやすくなります。
・上弦の月(7日前後) : 月の半分が光ります。日が沈むころ南から南西の空に見え、深夜ごろ西に沈みます。
・満月(15日前後) : 月全体が丸く光ります。夕方に東の空から見え深夜に南の空へ移り、日の出のころ西側に沈みます。
・下弦の月(22日前後) : 月の半分が光ります。深夜に東から昇り、明け方には南東から南の空に見えます。正午ごろ西に沈みます。
「月食」と「月の満ち欠け」の違い
月の見え方の一つに「月食」という珍しい現象があります。月の満ち欠けと月食を同じものと勘違いしてしまうことがあるため、月食についても簡単に触れておきましょう。
月の満ち欠けは、太陽の光が当たっていない部分が、地球から見えないことによって起こるものです。
一方月食は、太陽・地球・月が一直線に並んだとき、月が地球の影に入り月が欠けて見えるという現象です。月食で月の一部が欠けたところは、地球の形にカーブして見えます。また、地球の影に月が全部入ってしまう「皆既月食」のときは、月が赤く見えるのが特徴です。
月の形が30日かけて変わるため、1ヵ月が30日前後の暦ができた
月は、約15日かけて新月から満月になり、さらに約15日かけて満月から新月になります。合計約30日かけて月は地球を1周します。月の公転が科学的に解明されていない時代には、月の形が約30日でもとに戻ることを利用して、1ヵ月を約30日と定めた暦が作られました。このように、月の満ち欠けは、古くから人々によって生活の中で活用されてきたのです。
学校で習う理科でも、月の満ち欠けは宇宙への理解を深める第1歩とされています。ご家庭でも、月の満ち欠けを観察して記録してみてはいかがでしょうか。それが、子どもの知的好奇心を刺激するきっかけになるかもしれません。
知的好奇心が高まると、各教科への学習意欲もアップしてくるはずです。お子さまの学習サポートをお考えの際は、丁寧な指導で定評のある学研教室をぜひご利用ください。