2024年5月29日
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地震が起こるメカニズムとは? 日本に地震が多い理由についても解説します
日本は地震が多く、古くから大きな地震による災害にくり返し見舞われてきました。日本にいる限り、地震災害に遭うリスクは避けられないといえるでしょう。いざというとき、適切な対応を取るためにも、地震が起こる仕組みを知っておくことはとても大切です。
地震が起こるのは、地表を覆っているプレート(岩盤)が少しずつ動くから
地震はどのような仕組みで発生するのでしょうか。順を追って見ていきましょう。
地球は板のようなプレートで覆われている
地球の表面は、いくつかのプレート(岩盤)で覆われていて、それぞれのプレートは、1年に数cmずつさまざまな方向に向かって動いています。丸い地球を板のようなプレートが覆っており、さらに、それぞれが別々の方向に動いているため、境目ではプレートがぶつかり合っています。
プレートがひずむことで地震が起きる
プレート同士がぶつかると、一方のプレートの下にもう一方のプレートがもぐりこむという現象が起こります。プレートは少しずつ動き続けるため、徐々にひずみが強くなっていきます。そのひずみに耐えられなくなると、プレートが壊れたり亀裂が生じたりして大きく動き、地震が発生するのです。
地震の種類
地震の起こり方には、「海溝型地震」と「活断層型地震」の2つの種類があります。
海溝型地震
海の中には、海底が非常に深く、細長くくぼんでいる「海溝」というところがあります。この海溝で起こるのが海溝型地震です。
ここでは、海側のプレートが陸側のプレートの下に少しずつもぐりこむという動きが起きています。陸側のプレートは、海側のプレートに引きずりこまれて徐々にひずんでいきますが、それが限界に達したとき、大きく跳ね上がって地表を動かします。また、プレートを構成している岩が壊れてしまうこともあります。このようにして発生するのが、海溝型地震です。
海溝より浅い「トラフ」という場所でも、同様の理由で大きな地震が起こります。
活断層型地震
活断層型地震は、陸のプレートの中で起こります。地下の地層や岩盤が周囲から押されて地盤にズレが生じるところを「断層」といいます。活断層は、くり返し活動し続けている断層を指します。わずかずつですが、プレートが動いているのがその原因です。
活断層にはひずみが蓄積しやすく、そのひずみが耐えきれなくなると岩盤が壊れて地震が起こります。
日本の周辺にはプレートの境目が多いため、地震が起こりやすい
地震が起こりやすい場所とは
地震は、プレートの境目で起こりやすいといわれています。実際に、大きな地震が起きた場所を調べると、プレートの境目とぴったり重なるそうです。また、断層のあるところは、活断層型地震が起こりやすいこともわかっています。その他、地中のマグマが活発に活動している火山のそばは、地殻変動が起こりやすく地震の発生に関わると考えられています。
日本で地震が起こりやすい理由
日本の周辺には4枚ものプレートがある
日本は、北海道から関東地方にかけて北アメリカプレートという陸のプレートに乗っており、その東側には太平洋プレートという海のプレートが存在しています。北アメリカプレートと太平洋プレートの境目には、千島海溝、日本海溝、伊豆・小笠原海溝があります。さらに、中部地方から九州・沖縄地方はユーラシアプレートという陸のプレートに乗っており、その東南にフィリピン海プレートという海のプレートがあります。その境目には、相模トラフ、南海トラフ、南西諸島海溝があるのです。日本は、プレートの境目に囲まれているため、世界的に見ても地震が多い場所なのです。
今後日本で起こると予想されている大きな地震
南海トラフ地震
西日本の太平洋側で起こるといわれているのが南海トラフ地震です。ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境目を震源に、震度7以上、10m以上の津波が発生すると予想されています。30年以内に70~80%の確率で地震が起こると考えられています。
日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震
北海道の根室沖で発生するといわれているのが日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震です。北アメリカプレートと太平洋プレートの境目で起こり、津波の災害が予想されています。30年以内に60%の確率で地震が起こると考えられています。
首都直下地震
相模トラフ沿いの地域で起こると予想されているのが首都直下地震です。直下地震は陸のプレートの中で起こる地震という意味ですが、相模トラフが近いこともあり、海溝型地震と活断層型地震の両方の特徴を備えています。大正時代に起きた関東大震災は、このタイプの地震だったと考えられています。その名の通り、日本の首都東京を襲うため、大きな被害が想定されます。30年以内に70%の確率で地震が起こると考えられています。
中部圏・近畿圏直下地震(東海地震)
南海トラフ周辺の静岡県・愛知県を中心とした地域で起こると考えられているのが中部圏・近畿圏直下地震です。東海地震と呼ばれることもあります。30年以内に地震が起こる確率は20%とされていますが、歴史的な建造物など古い建物が多いため、大規模な被害が生じる可能性があるとして警戒されています。
地震はいつ起こるかわからない! 防災意識を高めることが大切
科学技術の進歩した現代でも地震の予知は難しいといわれており、それだけに日ごろの防災意識が重要だといえます。
避難訓練に参加する、防災グッズを準備する、いざというときの連絡方法を確認しておくなど、日ごろからできることを家族で話し合い、対策をしておきましょう。
小学校の社会科では、自然災害や防災について学ぶ機会があります。お子さまが興味を持たれたら、学研教室の理科・社会コースで学習をより深めるとよいでしょう。学習教室をお探しの際は、学研教室をぜひお選びください。