2024年7月21日
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立ち直る力「レジリエンス」をはぐくもう 子どものレジリエンスを高めるポイントとは
嫌なことがあったときや失敗したときに、子どもが落ち込んでしまうのは仕方のないこととです。ただ、いつまでもくよくよしていると、なかなか先に進むことはできません。子どもの立ち直る力「レジリエンス」を高め、チャレンジし続ける心を持つためにできることをご紹介します。
レジリエンスは、ストレスを受けたときに気持ちを回復させる力
まずは、レジリエンスの意味と、その重要性について解説します。
レジリエンスの意味
レジリエンスには「心の回復」「立ち直る力」「折れない心」といった意味があります。もともとは工学分野の言葉で、柔らかい棒に強い力が加わったとき、ぐにゃっと曲がって折れることなく、やがて元の形に戻ってくるという現象を指します。この現象を心理学にあてはめ、ストレスに直面しても立ち直ることのできる心をレジリエンスと呼ぶようになったのです。
子どもに必要なレジリエンス
大人に比べて経験値の少ない子どもは、ストレスをうまく受け流せないこともあります。また、テストの成績が悪かった、友達はうまくできたのに自分はできなかった、意見が合わずに言い合いになってしまったなど、集団生活の中ではさまざまなストレスが生じるものです。子どもにこそ必要なのがレジリエンスの力といえるでしょう。
レジリエンスは関わり方次第で伸ばせる力
「うちの子はすぐ落ち込んでしまう」「心が弱くて心配」という方もいることでしょう。ただ、子どものレジリエンスは周囲の関わり方次第で伸ばしていくことができるものです。適切な接し方を心がけ、子どものレジリエンスを高めていきましょう。
レジリエンスが高い子は、ストレスをうまく受け流せる
レジリエンスが高いと、学校生活などで感じるストレスを上手にかわしていくことができます。
「自分は大切な存在だ」と知っている
自分のよい面だけではなく、欠点も含めて「自分は大切な存在だ」と思えている子どもはレジリエンスが高いといえます。ありのままの自分自身を肯定できると、「きっと乗り越えられるだろう」「できなくても大丈夫」と思うことができます。嫌なことやつらいことがあっても、立ち直って再度チャレンジすることができるでしょう。
困ったときに助けを求められる
レジリエンスが低い子は、何か困りごとがあったときに、問題を一人で抱え込んでしまいがちです。一方、レジリエンスが高い子は、適切なタイミングで人に助けを求めることができます。誰かに助けを求められるということは、相手との信頼関係ができているということでもあります。日頃からそういった人間関係が築けていることも、レジリエンスの高さにつながります。
ネガティブな感情に引きずられない
何か嫌なことがあってネガティブな気持ちになっても、レジリエンスが高いと、いつまでもその気持ちに引きずられることがありません。「この状況が長く続くことはないだろう」「きっとなんとかなる」と気持ちを切り替え、次の行動を起こすことができます。
別の視点からものごとを考えられる
嫌なことやつらいことがあると、どうしてもものごとを一面からしかとらえられなくなってしまいます。そのような状況でも、さまざまな可能性を考えて、別の視点を見つけられるのがレジリエンスの高さといえます。思考の柔軟性があるのも、レジリエンスの高い子どもの特徴といえます。
子どもの気持ちを受け入れて、レジリエンスを高めていく
レジリエンスの大切さがわかってきたところで、子どものレジリエンスを高めるためにできることを見ていきましょう。
子どもの気持ちを否定しない
友達とけんかをして帰ってきたとき、子どもは「腹立たしい」「悲しい」などのネガティブな感情を抱えているものです。ただ、その感情を否定すると、子どもは自分の気持ちを理解してもらえなかったと感じてしまいます。
そのようなときは「腹が立ったんだね」「悲しいね」など、子どもの気持ちに寄り添う声かけをするとよいでしょう。子どもは、保護者が自分の気持ちに共感してくれたことで落ち着きを取り戻し、友達との関係を冷静に見つめ直すことができるようになります。
気持ちの切り替えを提案する
子どもがいつまでも負の感情に引きずられているときには、「さあ、おやつにしよう」「一緒に買い物に行こうか」などと、気持ちを切り替えられるような提案をしてみましょう。嫌なことやつらいことがあったときに、気持ちをリセットする方法があることを子どもに伝えてあげるとよいでしょう。
日々のコミュニケーションを大切にする
子どものレジリエンスは、人と人との信頼関係の中ではぐくまれていきます。日頃から子どもとよく話し、お互いの理解を深めることが信頼関係の構築につながります。
子どもを急かしたり命令口調で話したりしていると、子どもは保護者と話すのが嫌になってしまいます。こちらの言いたいことを一方的に伝えるのではなく、子どものことばを真摯に聞くよう心がけるとよいでしょう。
いつでも相談に乗れる雰囲気を作る
困ったときに助けを求められるのも、レジリエンスの重要な力です。いつでも相談に乗ることができるという雰囲気があれば、子どもは安心して助けを求めることができます。子どもが何か話をしてきたときには、いったん手を止めて、しっかり向き合うことが大切です。
社会の変化に対応するためにも、高めておきたいレジリエンス
変化の激しいこれからの時代を生きていく子どもたちにとって、レジリエンスを高めることはとても大切なことといえます。強いストレスがかかっても、柔軟に対応できるよう、子どものレジリエンスを高められる関わり方を心がけるとよいでしょう。
学研教室では、うまく問題が解けないときにも丁寧に解説をくり返し、お子さまの「もう一度やってみよう」という気持ちをはぐくむ指導を心がけています。お子さまのレジリエンスを高めるサポートとして、学研教室をぜひご活用ください。