2024年7月25日
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子どもにもできる「アンガーマネジメント」 怒りのコントロールとクールダウンの方法とは
集団生活をしていると、何らかのトラブルが起こることもあるものです。そのようなとき、怒りの感情をコントロールできないと周囲も本人も困ってしまいます。子どもにも必要なアンガーマネジメント。その大切さとアンガーマネジメントの方法についてご紹介しましょう。
怒ったときの「感情のコントロール」を目指すアンガーマネジメント
アンガーマネジメントというと、企業研修など、ビジネスの場面で使われることを思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし、ビジネスの場面だけではなく、子どもにとってもアンガーマネジメントは必要なものといえます。
アンガーマネジメントとは
怒りを感じたとき、自分の感情をコントロールして、衝動的な行動に出てしまうことがないようにするのがアンガーマネジメントです。怒りをがまんする訓練ととらえられることも多いですが、「単にがまんをしよう」「怒ることを避けよう」というわけではありません。今は本当に怒るときなのかを冷静に判断し、上手に怒りを表現するのがアンガーマネジメントといえるでしょう。
怒りが生じる理由
日々怒らずにすめばそれに越したことはありませんが、一方で、怒りは自分を守るための自然な反応でもあります。怒ること自体は決して悪いことではありません。怒りは悲しさや悔しさなどの負の感情を抱く中で、自分が正しいと思っていることを侵害されたときに生じやすいといえます。
「怒り」で困りごとがあるとき
アンガーマネジメントは、怒りに支配されてしまい、何らかの困りごとがあるときに行う心理トレーニングです。
怒ると暴力や暴言が激しい、怒りがどんどんエスカレートして手がつけられなくなる、自己嫌悪に陥って元気がなくなってしまう、いつまでもイライラしているなどの様子が見られるときは、アンガーマネジメントを検討してみるとよいでしょう。
子どもにとってのアンガーマネジメントの必要性
アンガーマネジメントは子どもにとっても有用です。その理由について見ていきましょう。
感情をコントロールできるようになる
怒りで感情が爆発すると、問題が大きくなってしまいがちです。また、感情が高ぶっていると適切な判断ができなくなってしまうこともあります。アンガーマネジメントが身につくと、怒りを感じたときに感情をコントロールできるようになります。初めは少しずつでも、感情のコントロールがうまくできるようになれば、落ち着いて問題の解決に向かうことができるはずです。
怒りをうまく伝えられるようになる
怒ったときにトラブルが生じるのは、とっさに手が出てしまったり、激しいことばで言い返したりしてしまうからです。アンガーマネジメントでは、自分の気持ちを暴力や暴言以外の方法で表すことを学びます。自分の気持ちを正しく相手に伝えることができれば、大きなトラブルを回避することができるでしょう。
人間関係を良好にする
怒りをコントロールできないと、「すぐ怒るから嫌」「こわいから近寄りたくない」などと思われて、周囲から距離をとられてしまいがちです。アンガーマネジメントができていると、気持ちを正しく伝えることができるため、人間関係を築きやすくなります。
ストレスが少なく過ごせる
怒ってばかりいるせいで友達とうまく関係が築けなくなると、孤独感が強くなります。誰にも受け入れてもらえないという気持ちを抱えて毎日を過ごすのは、子どもにとって大きなストレスになります。アンガーマネジメントが身についていると、そのようなストレスをあまり感じることなく過ごすことができるでしょう。
自分自身も傷つかなくて済む
怒りを爆発させてしまうと、冷静になったときに子ども自身も「よくないことをした」と思うものです。その結果、自己嫌悪に陥り自信を失ってしまいます。「怒って暴れるなんて最低だ」「みんなに嫌われたに違いない」と考え、深く傷ついてしまうのです。そのような事態を避けるためにも、アンガーマネジメントを身につけることはとても大切です。
ゆっくり数を数える、その場を離れる、深呼吸をする……すぐに使えるアンガーマネジメント
それでは、子どものアンガーマネジメントについて、具体的な方法をご紹介しましょう。
カッとなったときはゆっくり数を数える
人は怒りを感じたとき、ゆっくり6まで数えると落ち着きを取り戻せるといわれています。すぐに反応せず、「1、2、3、4、5、6」と数えて怒りを落ち着かせましょう。九九の苦手な段や「あいうえお」など任意の五十音を唱えるのも、同様の効果があります。
その場を離れてクールダウンする
怒っているときにいったんその場所を離れると、クールダウンすることができます。きょうだいげんかをしたときなどは、それぞれ別の部屋に行く、外の空気を吸いに行くなどするとお互いの気持ちが落ち着くものです。水分をとったり、深呼吸や体を伸ばして呼吸をととのえたりするのもおすすめです。
気持ちの伝え方を子どもに教える
腹がたったときに泣きわめいたり暴れたりする子どもには、気持ちをことばで伝えることを教えましょう。場所を変えたり深呼吸をしたりしていったん落ち着かせてから、何がどのように嫌だったのかを聞き取り、子どもに説明してもらいます。そして「今度からは、今みたいに自分の気持ちをことばで伝えるようにしよう」と教えます。
心が落ち着くようなことばを口にする
怒ったときに「バカ」「くそっ」などというネガティブなことばを使うと、怒りが増幅する可能性があります。反対に「大丈夫」「落ち着いて」「気にしなくていいんだよ」など、心が落ち着くようなことばを言ってみるのがおすすめです。初めのうちは保護者から「大丈夫って言ってみよう」と声をかけ、習慣がつくようにサポートしていきましょう。
アンガーマネジメントは子どもの生きやすさにもつながる
アンガーマネジメントは大人になっても必要になるものです。子どものうちからその考え方に触れることが、子どもの生きやすさにもつながります。うまく感情のコントロールができるよう、適切にサポートしていけるとよいでしょう。
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