2025年3月1日
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探究学習ってなんだろう? 探究学習が必要とされる理由と実施する際のポイント
「知識の詰め込みばかりではよくない」という反省から、近年注目されているのが探究学習です。子どもが自分で課題を解決していく力を身につけるために、取り入れられるようになった探究学習。その背景と、探究学習を進めるうえでのポイントについて解説します。
自ら課題を見つけ、解決していく力を養う「探究学習」

小学校では「総合的な学習の時間」を中心に、探究学習が行われるようになっています。その内容について見ていきましょう。
探究学習とは
学習を進めていくうえでは、知識の量を増やすだけではなく、その知識をもとに自分で考えて判断し、行動に移すことができる力を養うことも大切です。探究学習とは、自ら問題点を見つけ、持っている知識を生かして問題解決する力を身につける学習方法です。
主体的に学ぶ
探究学習で重視されているのは、子どもが主体的に学習に取り組む姿勢です。「なぜそれが問題なのか」「どのように進めたらよいのか」「なぜその結論に至ったのか」などについて、子ども自身で考えていくことが大切と考えられています。
協力して学ぶ
探究学習は、社会の中で生きていくことを念頭に置いた学習方法です。そのため、他の人と協力しながら学習を進めることが重視されています。グループで話し合う、先生や家族に話を聞く、地域に出て街の人と交流するなど、いろいろな人と協力しながら学びを深めていきます。
学習のプロセスが大事
教科学習のように、はっきりとした正解がないのも探究学習の特徴です。同じ課題でも、調べ方や話し合いの過程で異なる結論になることは珍しくありません。大切なのは結果ではなく、そこに至るプロセスです。さまざまなプロセスを経ていくことが、子どもの学びにつながります。
社会の変化やグローバル化への対応のため、注目され始めた探究学習

探究学習は、近年特に注目を集めています。なぜ今、探究学習が必要と考えられているのでしょうか。
変化の激しい時代に対応できる力を養う
保護者が子どものころに比べると、ICT技術やAIの進歩、グローバル化など、社会は大きく変化しています。今の子どもたちが大人になるころには、世の中はさらなる進化を遂げているでしょう。予測を上回るスピードで変わっていく社会に対応するため、子どものときに経験する探究学習は、とても重要な意味を持つと考えられます。
受け身の姿勢では対応できないこともある
多くの知識をたくさん取り入れようとすると、どうしても学ぶ姿勢が「受け身」になりがちです。しかし、自分の力で世の中を乗り切っていくためには、受け身の姿勢だけでは対応できないこともあるでしょう。積極的に学びに取り組む力を身につけるためにも、探究学習は子どもにとって必要な学びといえます。
世界的にも課題解決の力は重視されている
15歳を対象に行われる国際的な学力調査(PISA : OECDが行う生徒の学習到達度調査)でも、持っている知識を活用して答える問題が出題されており、課題を解決する力は世界的にも重視されていることがわかります。この流れに対応するため、日本でも探究学習が推進されるようになってきたと考えられます。
探求学習のポイントは「課題設定」「情報収集」「整理・分析」「まとめ」

探究学習を行ううえでのポイントについてまとめます。
探求学習の基本的な流れ
探究学習は、大きく次のような流れで進んでいきます。
課題を設定する
↓
情報を集める
↓
集めた情報を整理したり分析したりする
↓
結果をまとめる
基本はこの流れですが、実際には必ずしもこの順序とは限りません。たとえば、個々人が知っている情報を出し合うなかで課題を見つける、話し合いから始めて足りない部分の情報を新たに集めるといったこともあります。どこから始めたとしても、サイクルを循環する中で、知識や学びを得られればよいというのが探究学習の考え方です。
目的をはっきりさせて情報を集める
情報を集めるときには、調査、実験、見学などを行いますが、その際には、目的をはっきりさせることも大切です。何のためにその活動をしているのかを見失うと学びが深まらず、課題解決につながらないこともあるからです。発達段階によっては、大人がサポートすることも必要になります。
しっかりした情報源を選ぶ
調べ物をするときには、情報源が確かなものかどうかを確認することも必要です。インターネットには、正確ではない情報が含まれていることもあります。検索をする際には、発信元が公的な機関や学術機関であるか、発信者がその分野の専門家であるかなど、信頼できるかどうかをよく確認するようにしましょう。また、書籍や図鑑などを参考にするのもおすすめです。
教科学習で得た知識を活用する
課題解決のために実験をする際には、理科の知識が必要になることもあります。また、インタビューを申し込むときやアンケートを作るときには、国語で習った文章の決まりごとなどを活かすことができるでしょう。探究学習を進める中で、教科学習で身につけた知識を活かせるのも、子どもにとってよい経験となります。
集めた情報を整理する
情報が集まったら、それを整理して分析する作業に入ります。集めた情報を順序良く並べたり分類したりする、それぞれの特徴を比較する、関連性を見つけるといった中から、結論を導き出していきます。
「どのように学ぶか」が大切
情報を整理したうえで、発見したことや気づいたことをまとめたり発表したりすることが、探究学習の一つのゴールとなります。結論は各グループで異なってもかまいません。そこへ至るまでにどのように学んでいったのかが、子どもたちの成長へとつながります。
答えが一つではない状況でも、適切に対応できる力を育んでいく
探究学習は、答えのあるものを見つける「調べ学習」とは異なり、調べた内容をもとに考えを深めていくことを重視しています。課題によっては一つの答えにたどりつかないこともありますが、そのような状況でも、自分で考えて適切な行動がとれるよう、探究学習を通して子どもの力を育んでいけるとよいでしょう。
学研教室では、教科学習で身につけた知識をもとに、お子さま自身で課題を解決する力をサポートしています。お子さまの思考力や判断力を伸ばしたいとお考えの際は、学研教室をご利用ください。