2025年3月20日
- 幼児
- 小学生
- 子育て
- 教育
子どもが素直に謝れないとき 「ごめんなさい」と言えない理由と保護者の適切な対処方法
人に迷惑をかけたときは謝りますが、場合によっては素直に謝れないこともあります。そんな子どもの様子を見ていると、イライラしてしまうことがあるかもしれません。子どもが謝れないとき、保護者はどのように対処したらよいのでしょうか。
納得できない事情がある・自分を守りたいなど、子どもが謝れない理由もある

子どもがすぐに謝れないのはなぜなのか、その理由を考えてみましょう。
相手が悪いと感じている
わが子が友達を叩いたなどと聞くと、保護者はあわてて「謝りなさい」と言いたくなるものです。しかし、子どもが手を出す前に相手が何か悪口を言ってきた、軽く小突いてきたといった可能性もあります。また、以前から嫌な思いをさせられていて、何かのきっかけでがまんできなくなったということもあるでしょう。叩いたことは悪かったとしても、そうせざるを得なかった事情があると、子どもは納得できず謝ることができないものです。
自分を守ろうとしている
謝ることは、自分の非を認めるということです。非を認めると、周囲からの信頼を失う不安を感じることもあるでしょう。また、謝ることは「負け」と感じる子どももいます。いずれも、自尊心を傷つけられることを恐れており、自分自身を守るためにどうしても謝ることができないのです。
まだ気持ちが落ち着いていない
トラブルがあったときや失敗したときは、怒りや悲しみといった感情が強くなるものです。特に、子どもは感情のコントロールがうまくできないことが多く、気持ちが落ち着くまでにある程度の時間がかかります。気持ちが落ち着かない状態で「謝りなさい」と言われても、素直に謝ることは難しいものです。
悪いという自覚がない
発達段階や個人の意識の差によっては、悪いことをしたという自覚がない場合もあります。まだ幼い場合は、社会のルールが理解できていないことも考えられます。また、本人に悪気はなくても、相手にとっては許しがたいと感じる場合もあります。悪いという自覚がないと、謝ることはできないでしょう。
子どもが謝れないときは、どのように対処すればよい?

本来なら謝らなければならない場面で子どもが謝ろうとしないとき、保護者はどのように対処したらよいのでしょうか。
子どもの話をよく聞く
大人が事実の一部しか把握していない場合もあります。謝るべきと感じても、まずは子どもの話をよく聞くようにしましょう。事実の確認をしっかりしたうえで、どのように対処するかを考えることが大切です。
子どもの気持ちに寄り添ってみる
子ども自身は、本当は謝らなければいけないと思っていても、素直に謝れないこともあります。そのようなときは、いったん子どもの気持ちに寄り添ってみると気持ちがほぐれることがあります。「そういうふうに思ったんだね」と受け入れると、子どもは「わかってもらえた」と安心し、素直に「自分が悪かったから謝ろう」という気持ちになるものです。
子どもの気持ちを代弁してみる
子どもによっては、自分の気持ちをうまく表現できないこともあります。「邪魔されたのが嫌だったんだ」「それでイライラしたのね」などと、気持ちを代弁すると、子どもも落ち着いてくるものです。そのうえで相手の気持ちも一緒に考えて、謝ることの大切さを伝えるようにしましょう。
少し時間を置く
感情的になっているときには、少し時間を置くようにします。そのときは謝れなくても、時間が経って冷静に思い返してみると、自分が悪かったと考えられることもあるはずです。
謝れたときには褒める
謝れたときには「ちゃんとごめんって言えたね」などと声をかけ、謝れたことを褒めるのも効果的です。年齢が低い場合は、褒めることで「こういうときに謝るんだ」と学んでいくことができるでしょう。
無理やり謝らせても、あまり意味はない

相手がいると、保護者は「とにかく早く謝らせなければ」と思ってしまいがちです。ただ、無理に謝らせると、子どもによくない影響を与えてしまうこともあり注意が必要です。
強制的に謝らせることは避ける
「早く謝りなさい」「言い訳なんかしない!」など、有無を言わさず謝らせることは避けた方がよいでしょう。謝罪を強制されると、子どもは自分を否定されたと感じて、自己肯定感が低下する可能性もあります。
本心から謝る気持ちが大切
無理に謝らせることで、とにかく「ごめんなさい」を言えばいいと、子どもが勘違いしてしまう場合もあります。子どもが本心から反省し、自分のことばで謝罪の気持ちを伝えることができなければ、謝る意味はありません。「申し訳なかった」「自分が悪かった」と、感じる力を身につけることが何よりも大切です。
子どもが謝れないときには、その理由を考えてみる
成長途中の子どもにとって、自分の気持ちをコントロールして謝ることは、大人が思う以上に難しいものです。子どもがなかなか謝れないときには、何か理由があると考えてみてはいかがでしょうか。子どもが自然に謝れるようになるまで、保護者は適切にサポートしていけるとよいでしょう。
一般的に自己肯定感が高い子どもは、比較的素直に謝ることができるといわれています。学研教室では、相互のやり取りの中で、お子さまの自己肯定感を高めるサポートを行っています。お子さまの自己肯定感を高めたいとお考えの際は、学研教室をぜひご利用ください。