2025年4月26日
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「モンテッソーリ教育」を知りたい! 基本的な考え方や具体的な教育方法、家庭で行う際に心がけること
子育てをしているなかで、モンテッソーリ教育について耳にしたことのある方は多いのではないでしょうか。子どもの自主性を育むといわれているモンテッソーリ教育。その基本的な考え方や実践方法、また家庭でできる取り組み方などについてご紹介します。
子どもに合ったペースで学び、自立心や自主性を育むモンテッソーリ教育

モンテッソーリ教育とはどのようなものなのか、また、そのメリットについて説明します。
モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育は、イタリアの医師・教育者のマリア・モンテッソーリが考案した教育法です。発達段階に合った環境を整え、子どもが自分で考え行動できるようサポートをすることで、子ども自身の力で成長していくことができるという理念のもと実践されています。
集中力が養われる
子どもの「やりたい」という気持ちを大切にして、好きなことに取り組み続けられる環境を整えるのがモンテッソーリ教育の特徴です。興味・関心のあることにしっかり取り組めるため、自然と子どもの集中力が養われていきます。
自主性が育まれる
モンテッソーリ教育では、子どもが行動を起こすことから学びが始まります。誰かにやらされるのではなく、自ら積極的に行動する習慣が身につき、自主性が育まれていきます。
モンテッソーリ教育の基本理念は「子どもが自分で自分を育てる力」を養うこと

モンテッソーリ教育の基本的な考え方をご紹介します。
子どもは自分の力で自分を育てられる
モンテッソーリ教育の大きな柱となるのは「自己教育力」という考え方です。自己教育力とは、自ら学び自分で自分を育てる力のことをいいます。子どもの自己教育力を引き出すために、大人が適切な接し方をしたり、環境を整えたりします。
子どもがやりたいことに取り組む
子どもの自己教育力を育むためには「大人が子どもにやらせる」というアプローチは避けなければなりません。子どもがやりたいことを子ども自身の意思で行うことが、自己教育力を高めます。
子ども自身が選択する
子どもの自立心を養うためには、自分で選ぶという経験を積み重ねることが大切です。自ら選択するという経験は、適切な判断力を身につけるうえで将来的にも役立ちます。
大人は「伝える」「認める」を心がける
子どもへの関わり方で大切なのは「叱るのではなく伝える」「褒めるのではなく認める」ということです。子どもは叱られると「叱られないようにしよう」、褒められると「褒められるようにしよう」と考えて行動しがちです。外部からの力ではなく、子どもの内面から主体的に行動が起こせるようサポートしていくことが大切です。
モンテッソーリ教育で行われる5つの教育分野

モンテッソーリ教育には、5つの教育分野が設定されています。一つ一つ見ていきましょう。
日常生活の練習
日常生活の練習は、子どもが自分の体をコントロールしながらさまざまな活動を行うためのものです。練習を通して、環境変化への適応力などを養います。発達段階によって、ハサミを使うなどの「目と手の協応」、机を運ぶなどの「基本的動作」、服を着るなどの「自分への配慮」、植物の世話をするなどの「環境への配慮」、あいさつをするなどの「気品と礼儀」、自転車に乗るなどの「運動の調整」といった練習をします。
感覚教育
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感を使って、長い・短い・多い・少ないといった感覚を認識する活動を感覚教育といいます。たとえば、同じ形で同じ色なのに、長さだけが違う棒を使って「長い」「短い」といった概念を感覚的に理解していきます。感覚教育をくり返すことで、観察力やものごとを洞察する力が育っていきます。
言語教育
モンテッソーリ教育の言語教育は、単にことばや文字を覚えるだけではなく、話しことば・読みことば・書きことばの使い分けや、ことばのニュアンスまで理解できるようになることを目標にしています。ひらがなカードや絵カードを使い、子どもが楽しみながら学べるよう工夫しています。
数教育
具体的な物を使って、数の概念を理解していくのが数教育です。数によって長さの異なる棒や色違いのビーズなどを用いて、量や順序など数の仕組みを体感していきます。数教育によって身についた数の概念は、算数や数学の基礎になると同時に、抽象的な思考力も育んでいきます。
文化教育
小学校で習う理科や社会科に該当する、生物、植物、自然、地理、歴史、宗教などのほか、音楽や美術などが文化教育です。幅広いテーマが子どもの知的好奇心を刺激して、想像力、創造力、探究心などを育みます。
家庭でモンテッソーリ教育を実践するには
モンテッソーリ教育を家庭で行う際、心がけておくとよいことをご紹介します。
子どもが自主的に動けるよう環境を整える
日常生活において子どもが自分で考えて行動できるように、子どもが手を洗いやすいよう踏み台を用意しておく、自分で着る服を選べるよう種類ごとに収納しておくといった工夫をするとよいでしょう。また、子どもの目に入りやすい場所に遊具や教具を置いておくのもおすすめです。
子どもの興味に寄り添う
大人が無理やり子どもに何かをやらせようとすると、子どもの自立心は育っていかないものです。大人がやらせたいことではなく、子どもが興味を持っていることを、子どものペースで取り組ませることを心がけましょう。
子どもの集中を妨げない
子どもが何かに没頭しているときは、できるだけ集中を妨げないようにすることも大切です。子どもが頼ってくるまでは手や口を出さず、そっと見守るようにしましょう。
子ども自身が持っている力を引き出すモンテッソーリ教育を家庭で活用してみる
モンテッソーリ教育は、子ども自身が本来持っている力を引き出して、さまざまな能力を身につけていく教育法です。まずは、家庭の中でそのエッセンスを取り入れ、活用してみてはいかがでしょうか。
学研教室では、学習の中でお子さまの興味・関心を引き出し、積極的に学習に取り組んでいけるよう指導を行っています。お子さまの自主性を育みたいとお考えの際は、学研教室をご活用ください。